米国とカナダの通商交渉が決裂し、メキシコが反射利益を見込んでいる。トランプ政権が中間選挙を前に主要な貿易相手2カ国と同時に通商摩擦を抱えるのは難しいだけに、メキシコ産自動車と鉄鋼・アルミニウムに課した関税を引き下げる可能性が高まったとの分析が出ている。
24日(現地時間)、ブルームバーグ、ファイナンシャル・ポストなどの海外報道によると、クラウディア・シェインバウム・メキシコ大統領はこの日、米・カナダの対立に関する取材陣の質問に「トランプ大統領が言ったように、メキシコも米国と合意に達することを望む」とし、「合意できると楽観している」と述べた。
メキシコ側の通商交渉責任者であるマルセロ・エブラルド経済相は、メキシコ産鉄鋼とアルミニウムに課された米国の50%関税と、自動車に課された25%関税を引き下げるため、ワシントンで交渉を続ける予定である。
メキシコは米国とカナダの通商交渉を注視してきた。米国がカナダ産鉄鋼・アルミニウムに一定数量まで25%の低い関税を適用し、自動車関税を現行の25%から15%に引き下げる案を協議していたためである。メキシコもカナダと同程度の関税引き下げを要求できるとみていた。
エブラルド経済相は21日、「すべての条件が完全に同じというわけではないが、メキシコも同様の結果を得られると考える」とし、「近く今より明らかに良い状況を迎えることになる」と述べた。トランプ大統領も同日、米国が「メキシコとよりはるかに良い新たな合意に向けた交渉を開始している」と明らかにした。
しかし、合意に近づいていた米国とカナダの交渉は最近決裂した。ドナルド・トランプ米大統領は来年からカナダ産の自動車と自動車部品に課す関税を2倍に引き上げると明らかにした。米国は約200億ドル(27兆6000億ウォン)規模のカナダ産製品にも50%の関税を課し、マーク・カーニー・カナダ首相は来月8日から報復関税を実施すると対抗している。
米国とカナダの対立激化は、メキシコにとってむしろ交渉の好機となり得るとの分析が出ている。米国がカナダに続きメキシコとも貿易戦争に突入すれば、北米のサプライチェーンが揺らぎ、自動車など主要製品の価格が上昇する可能性があるためだ。11月の中間選挙を前にするトランプ政権としては、物価上昇の負担も考慮せざるを得ない。
ブルームバーグ・エコノミクスのヒメナ・スニガ中南米地経学アナリストは「米国とカナダの交渉決裂は、ワシントンと交渉するメキシコの立場を強め得る」とし、「特に中間選挙を前に物価上昇リスクを考慮すれば、米国はもう一つの主要な貿易相手との2件目の大規模な対立に踏み込むことをためらう可能性がある」と述べた。
米国・メキシコ・カナダは、発効6年目を迎えた米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の年次見直し手続きも進めている。3カ国が個別の二国間交渉を並行するなか、メキシコが先に米国と関税引き下げで合意すれば、北米の通商秩序の重心がカナダからメキシコへ傾く可能性があるとブルームバーグは展望した。