ドイツのスポーツカー企業ポルシェ(Porsche)が自動車・産業コンサルティング子会社MHPをインド最大の情報技術(IT)サービス企業TCS(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)に売却する。同時にTCS・MHPと5年間で12億5000万ユーロ(約2兆177億ウォン)規模の長期契約も結ぶ。子会社を外部の専門企業に譲渡すると同時に長期的な協力関係を構築し、自動車の設計から生産・運用・顧客体験に至るまで人工知能(AI)適用を加速する構想だ。
24日(現地時間)ロイター通信によると、TCSはポルシェの自動車・産業コンサルティング企業MHPを企業価値3億2000万ユーロ(約5165億ウォン)で買収することにした。買収手続きは今後3〜4カ月以内に完了する見通しだ。MHPは自動車・産業分野に特化したコンサルティング企業で、経営コンサルティングやソフトウェア定義モビリティ(Software-Defined Mobility)などを主要事業としている。
今回の買収はポルシェとTCSが締結した大規模な長期協力の一環である。ポルシェは今後5年間、TCS・MHPと12億5000万ユーロ(約2兆177億ウォン)規模の契約を結んだ。契約にはAIをポルシェの自動車設計と生産、運用、顧客体験などに適用し、自動車技術とソフトウェア定義モビリティのプラットフォームを開発する内容も含まれた。
ポルシェが子会社を売却しつつ外部専門企業と大規模な長期契約を結んだ背景には、コスト削減と事業構造調整の圧力がある。ポルシェが属するフォルクスワーゲン・グループは、中国の自動車企業との競争や関税、電気自動車(EV)関連コストの増加に直面し、コスト削減と複雑な事業ポートフォリオの整理に動いている。今年はスポーツカー企業ブガッティ(Bugatti)とリマック(Rimac)の持分を売却した。バッテリー子会社セルフォース(Cellforce)と電動自転車事業を含む子会社3社も整理した。
とりわけ今回の契約は、AIの拡大で既存のアウトソーシング事業モデルが揺らいでいるインドIT業界が事業領域を広げる中で浮上した。ロイター通信によると、インドIT産業の市場規模は3150億ドル(約436兆545億ウォン)に達する。しかしAIが伝統的なITアウトソーシングモデルを揺るがし、企業顧客が技術関連の支出を保留する状況が生じている。
このような状況でTCSは、単純なIT外注サービスを超えて自動車企業のAI導入と技術・ソフトウェア開発へと事業領域を広げることになった。ポルシェとの5年の長期契約もTCSの売上に寄与すると見込まれる。
ピユシュ・パンデイ・セントラムブロキングITアナリストは、今回の契約がTCSの売上増加に寄与すると見通した。ピユシュ・パンデイは、今回の取引をウィプロ(Wipro)が過去にハーマンDTSとオラムを買収した後に事業領域を拡張した事例と比較し、今回の買収を足がかりに顧客企業内で事業を拡大するいわゆる「ランド・アンド・エクスパンド(land and expand)」戦略に類似すると分析した。ただし今回の取引がTCSの株価と会社の全般的なケイパビリティに与える影響は中立的と見込んだ。