世界最大の人工知能(AI)半導体企業であるエヌビディア(Nvidia)が中国の顧客企業向けの特注チップを年内に発売する計画だとする海外報道を全面否定した。

エヌビディアのロゴ。/ロイター通信

20日(現地時間)ロイターによると、エヌビディアの広報担当者は自社の製品ロードマップに中国特化モデルはないとの立場を明らかにした。これは、エヌビディアが中国企業のために特注された言語処理装置(LPU)を年末ごろ発売する計画だとする情報技術(IT)メディアのザ・インフォメーションの報道内容に反論したものだ。

学習と推論の両面で使えるグラフィックス処理装置(GPU)とは異なり、LPUは推論に特化したスタートアップのグロック(Groq)のAIチップである。エヌビディアは昨年末、いわゆる「アクイハイア(Acqui-hire)」方式の迂回的な買収によりこの製品のライセンスを確保した。

サムスン電子(005930) ファウンドリー事業部が高速のSラムを基盤に量産するLPUは、GPUより応答速度が速いことが特長だ。

エヌビディアは「LPUに関する報道は事実と異なる」とし、「現在、中国市場でLPUを販売しておらず、ロードマップにも中国専用のLPUは全くない」と述べた。

今回のLPU発売をめぐる騒動も、米中のAI・半導体覇権競争の中でエヌビディアの対中事業が制約を受ける状況で起きたとみられる。とりわけLPUは、エヌビディアの主力製品であるGPUに比べ関連規制が少ない点で中国市場を狙った新たな選択肢として注目を集めた。

エヌビディアの中国事業は昨年から米中両国の輸出・輸入統制に相次いで阻まれ、不安定な様相を示してきた。ドナルド・トランプ米政権は昨年初め、エヌビディアのAIチップの中国向け販売を一時禁じた後、高性能のH200チップ販売を許可した。中国も自国の半導体産業を保護するためエヌビディアのチップ輸入を制限したが、最近は一部のテック企業に少量の輸入を認めた経緯がある。

先に5月、ジェンスン・フアン エヌビディア最高経営責任者(CEO)は中国の半導体エコシステムについて「われわれは事実上その市場を彼らに明け渡した」と評価した。エヌビディアはGPUの中国販売が難しくなると、「ベラ」中央処理装置(CPU)の供給を進めるなど、規制の影響を相対的に受けにくい製品で中国事業の活路を探っている。

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