英国の映画館がMeta(メタ)の人工知能(AI)眼鏡などカメラを搭載したスマートグラスに対する独自規制に乗り出した。映画の違法撮影とプライバシー侵害への懸念が高まる中、映画館ごとにスマートグラスを禁止または使用を制限する方針を導入し始めたためだ。
20日(現地時間)ロイター通信によると、英国映画館協会(UK Cinema Association)は同日、英国の映画館運営各社がカメラ機能を備えたスマートグラスを禁止または制限する方針を導入していると明らかにした。方針の適用対象にはMeta(メタ)のAI搭載スマートグラスも含まれた。
英国の映画館業界全体に一律で適用される規定が作られたわけではない。映画館ごとに方針が異なり、各運営会社が禁止または制限措置を設ける方式である。
このように映画館がスマートグラスの制限に踏み切った核心理由は撮影機能である。スマートグラスは眼鏡に搭載されたカメラを用いて写真や動画を撮影できる。映画館の立場では、こうした機能が上映中の映画を違法撮影するのに活用される可能性を排除しにくく、他の観客のプライバシーを侵害し得るという問題もある。英国映画館協会は個人情報保護と映画の違法撮影への懸念を今回の措置の背景として挙げた。
スマートグラスの撮影機能をめぐる論争は映画館の外でも表れている。イングランドおよびウェールズの裁判所は今月、裁判所内での写真・動画撮影の制限を理由にMeta(メタ)のAI眼鏡の使用を禁じた。ドイツでは今月初め、ある市民団体が個人情報保護関連法を根拠に、Meta(メタ)および当該機器の販売に関与した事業者などを相手取り刑事告発状を提出した。
韓国でもAI眼鏡が新たな不正行為手段として浮上し、試験会場の規制が強化されている。5月、電気産業技士と消防設備技士の国家技術資格試験でAI眼鏡を利用して不正行為をした受験者3人が摘発され、TOEIC試験でも受験者2人が相次いで摘発された。これを受け、教育部は市・道教育庁に対し、AI眼鏡を持ち込み禁止物品に含め、不自然な行動を注意深く見守るよう求める内容の公文を送った。
かといってスマートグラスの使用を一律に止めることも難しい。英国映画館協会も、スマートグラスが特定のアクセシビリティ支援を必要とする人々に役立つ可能性がある点を認めた。これにより、加盟各社と継続的に協力し、関連対応が状況に即し過度にならない水準で維持されるようにすると述べた。
映画館や裁判所、試験会場などでスマートグラスをめぐる制限措置が現れ、個人情報保護をめぐる法的問題まで提起される中、スマートグラスの活用範囲をどこまで許容するかをめぐる課題が大きくなっている。特に機器の利便性とアクセシビリティは担保しつつ、違法撮影やプライバシー侵害といった副作用をどう防ぐかが新たな課題として浮上している。