17日午後、中国フージエン省ニンダー市に位置するCATL(ニンデ・シダイ・宁德时代)の生産拠点。電気自動車用バッテリーセルを生産する工場の入口に入ると、灰色の通路が300mを超えて一直線に伸びていた。
通路の壁の向こうには同じ長さの生産ラインが広がっていた。巨大なロボットアームと協働ロボットが騒音を立てながら、原材料の混合から電極コーティング、セル組立、電解液充填、品質検査に至る工程を休みなくこなしていた。
この工場には長さ300mの生産ラインが計6本稼働しており、拠点全体ではセル生産工場2カ所、バッテリーパック工場2カ所、絶縁コーティング工場1カ所など合計5つの工場が約55万㎡の規模で入っている。サッカー場77面に匹敵する規模だ。現場関係者は「新設工場では全体の生産ラインの長さが1㎞に達することもある」と語った。
ここはCATLの主要生産拠点である「Z拠点」だ。2020年に稼働したこの拠点は年間30GWh以上の電気自動車用バッテリーを生産する。世界経済フォーラム(WEF)は、ここが高い自動化・デジタル化水準と製造効率を備える点を認め、グローバルな「灯台工場」に選定した。灯台工場とは、先端技術で生産性と効率を高めた工場を指す。CATL側は、人工知能(AI)やビッグデータ、デジタルツインなどの技術を活用し、生産プロセス全般の自動化と効率化を実現したと説明した。
◇ 全生産工場がカーボンニュートラル達成…業界初
しかし、この巨大なバッテリー工場の最大の特徴は自動化でもデジタル化でもない。バッテリー業界で初の「カーボンニュートラル工場」である点だ。会社によると、2022年に四川省イビン工場が国際認証を取得し、初のカーボンニュートラル・バッテリー工場として認められ、その後ニンダーZ拠点も昨年3月に同じ認証を受けた。CATLは現在、世界20カ所の生産施設がすべてカーボンニュートラルの国際認証を受けたと明らかにした。
CATLが生産工場の脱炭素化に速度を上げた背景には、急拡大した事業規模がある。会社によると、2022〜2025年の世界の動力用バッテリー使用量は約1.3倍、エネルギー貯蔵装置(ESS)用バッテリー出荷量は約4倍増加した。CATLのバッテリー販売量も2.3倍以上増え、グローバル市場シェア1位を記録した。カーボンニュートラルに対する産業界の要求が一貫して高まるなか、バッテリー生産量が爆発的に伸びたCATLは、生産拡大と炭素削減という二つの課題を同時に解く難題に直面した。
これに対しCATLは、まず生産拠点に分散型の太陽光パネルを大規模に設置した。会社によると、ニンダー拠点で自家生産する太陽光電力だけで年間2500万kWhに達する。これに加え、外部から再生可能エネルギー電力を購入し、自家発電だけでは賄いきれない電力需要を補った。実際、ニンダー拠点や本社の至る所で、工場の屋根だけでなく駐車場や空き地などにも太陽光パネルが設置されている様子を容易に目にすることができた。
CATLは再生可能エネルギーに電源を切り替えるだけにとどまらず、製造工程で不必要に使われるエネルギー自体を減らす取り組みも並行した。設備のエネルギー効率を改善し、AI・デジタル技術でエネルギー消費をリアルタイムで管理した。設備別の運転データを自動収集し、最適化アルゴリズムを適用して不要なエネルギー消費を取り除く方式だ。従業員の作業習慣までエネルギー削減の対象とした。
◇ 累計削減量1000万t…「一国家の年間排出量に匹敵」
その結果、CATLは2025年に生産工場のカーボンニュートラルを達成した。会社は年初に関連する認証作業を完了し、すべてのバッテリー生産工場がカーボンニュートラルの国際標準である「ISO 14068-1」認証を取得した。2023〜2025年にCATLが達成した累計の炭素削減量は1000万tCO₂eを超えた。会社側はこれを「2025年のブルネイ全体の国家カーボン排出量に匹敵する規模」と説明した。
具体的には、昨年CATLがコアオペレーションに使用した電力は100%カーボンニュートラル電力へ転換された。2023年以降の再生可能エネルギー電力の使用量は180億kWhを上回る。エネルギー効率の面では、2022年比でバッテリー生産拠点の単位生産量当たりのエネルギー消費を28%削減した。単に「再生可能エネルギーを100%使用した」というだけでなく、バッテリー1個をつくるのに必要なエネルギー自体を減らしたという意味だ。
しかし会社側は「カーボンニュートラル工場の達成は始まりにすぎない」と述べた。CATLが掲げる真の目標は、2035年までにバッテリーのサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを達成することだ。原材料生産からサプライヤー、CATLの生産工場、最終製品に至る全過程で炭素排出を減らす構想である。CATLの説明によれば、サプライチェーンの炭素排出量はCATLのコアオペレーションで発生する排出量より9倍以上多い。
ゾン・ユーチュン(曾毓群)CATL最高経営責任者(CEO)は17日、CATL本社で開かれたカーボンニュートラル戦略発表会で「世界がカーボンニュートラルに向けた取り組みを強化するなか、カーボンニュートラル・バッテリーは選択ではなく必須になる」と述べ、「業界のパートナーと技術と経験を共有し、グローバルなカーボン標準を共に作り、産業全体のカーボンニュートラルを前進させる準備ができている」と明らかにした。