ニューヨーク株式市場で主要3指数が上昇して取引を終えた。米財務省の国債バイバック(再買入)規模拡大の発表で国債利回りが低下し、反発したためである。
19日(現地時間)ニューヨーク証券取引所(NYSE)で、ダウ工業株30種平均は前日比119.65ポイント(0.22%)高の5万3463.05で取引を終えた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500種指数は前日比16.22ポイント(0.21%)高の7707.98で引けた。ナスダック総合指数も前日比41.38ポイント(0.16%)高の2万6331.09で終えた。
先立ってこの日、米財務省が国債バイバックの規模を少なくとも2倍に拡大すると明らかにした後、長期国債利回りが低下し、寄り付きから上昇した。1回当たりの買入規模が現在の最大20億ドルから最小40億ドルへ増える格好だ。バイバック拡大の対象は10〜30年物の区間で、今四半期の国債発行計画が適用される11月4日までの時限的な運用である。
前取引日に5.33%を上回り19年ぶりの新高値を記録した30年物米国債利回りは、この日一時9bp(1bp=0.01%ポイント)低下の5.195%を付けた。10年物米国債利回りは4.653%で前日比5bp低下した。
国債利回り低下で株式市場も反発したが、上昇の強度は強くなかった。概ね強含み圏にとどまった。業種別ではヘルスケアが3.52%、一般消費財が2.14%上昇した。素材も1.67%上昇した。一方でテクノロジーと資本財、金融、エネルギー分野は下落した。
とりわけ国債利回り低下にもかかわらず、OpenAIの第2四半期決算が物足りないとの報で人工知能(AI)および半導体関連株の地合いが悪化した。OpenAIの売上高は67億ドル、Anthropicの売上高は116億ドルと暫定集計されたが、OpenAIの第2四半期実績が予想ほど強くなかったうえ、競合のAnthropicに比べ失望的だったとの海外報道で投資心理が冷えたと読める。こうした報により、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は前取引日比254.24ポイント(2.12%)安の1万1738.23で引けた。
フィラデルフィア指数を構成するブロードコムとAMDもそれぞれ約4%下落した。例外的に半導体企業マーベル・テクノロジーは約10%急騰した。マーベル・テクノロジーは、グーグルの需要が高いカスタムAI半導体の開発に参画する契約を発表した。グーグルの持ち株会社アルファベットには最大122億ドル規模のマーベル・テクノロジー株式を取得できる権利も付与した。
この日相場を主導したのはヘルスケア株であった。米製薬会社モデルナは176%急騰した。メルクと共同開発した個別化mRNAがん治療薬が後期臨床試験で悪性黒色腫の再発と転移リスクを下げるなど、好結果を示した影響である。メルクも株価が12%超急騰し、ダウ平均の上昇をけん引した。
国際原油価格は中東情勢の不透明感が続き、上昇した。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は0.9%高の1バレル=85.68ドルを記録した。