「カーボンニュートラルはCATL(ニンダースダイ・宁德时代)だけで達成できるものではない。目標を実現するには、削減努力の80〜90%をサプライチェーンとともに進めなければならない。今後10年間で100社を超える主要鉄鋼サプライヤーと200〜300社の中核サプライヤーとともにカーボンニュートラルを達成する計画だ。」

世界最大の電池企業であるCATLが脱炭素化に本腰を入れた。今年初めに生産工場20拠点すべてでカーボンニュートラルの国際認証を取得したのに続き、業界で初めてサプライチェーン全工程の炭素データを追跡し、これを実際の調達基準にまで結びつける方式で、2035年に電池サプライチェーン全般のカーボンニュートラルに挑む。単に電池生産工場の電源を切り替えるにとどまらず、鉱物採掘から素材生産・物流・リサイクルに至るまで、電池がつくられる全工程の生産方式を変えるということだ。

CATLのアキン・リ副社長が18日、寧徳の本社でインタビュー後にポーズを取る。/寧徳(中国)=イ・ウニョン特派員

これは世界最大の電池企業の調達基準が変わることを意味し、グローバル電池産業全般に少なからぬ波及効果を及ぼす見通しだ。18日、中国フージエン省ニンダーのCATL本社で会ったア・キン・リ副社長は「CATLが推進するカーボンニュートラルは産業のバリューチェーン全般を網羅するプロジェクトだ」とし、「CATLのカーボンニュートラルに関する経験と方法論をサプライチェーンのパートナーと共有し、ともに炭素排出を減らしていく」と述べた。

◇「カーボンニュートラル電池は、すでに海外市場の入場券になっている」

CATLが自社の生産ラインを越えてサプライチェーン全般へとカーボンニュートラルを拡張するのは、市場の要請があるためだ。電気自動車の普及が急速に進み、電池が自動車産業の中核部品として位置づけられたことで、完成車メーカーや各国政府も車両の運行段階だけでなく、電池の生産過程で発生する炭素排出まで管理し始めた。

一部では「カーボンニュートラル電池でなければ化石燃料と変わらなくなる」との見方まで出るなか、リ副社長は「電池の炭素排出水準はすでに重要な競争要素の一つになっている」と評価した。リ副社長は「欧州ではすでに電池一つひとつの生産過程で炭素関連情報を管理するよう求めており、多くの顧客が入札書類で炭素削減に関する要求を明確に提示している」とし、「CATLが推進するカーボンニュートラルは、海外事業で現地法規を満たすと同時に持続可能性を確保し、将来の競争力を高める手段だ」と述べた。

◇「CATLだけが減らしてはならない」…サプライチェーンの80%が真の課題

しかし電池生産工場の炭素排出を削減するだけでは不十分だった。会社の説明によれば、電池の炭素排出構造は単純ではない。CATL製品のライフサイクルで発生する炭素排出のうち、実に80%以上がサプライチェーンで発生する。

実物大・実重量で製作されたCATLのNCM電池とLFP電池の模型。/寧徳(中国)=イ・ウニョン特派員

とりわけ正極・負極の素材生産は代表的なエネルギー多消費工程とされる。正極材は通常700〜1000℃で40〜50時間ほどの高温焼結が必要で、莫大なエネルギーを消費する。これに加え、金属や構造材など主要素材の生産で全体排出量の50%以上が排出される。CATLが昨年、生産工場のカーボンニュートラルを越えて「2035年サプライチェーン・カーボンニュートラル」を目標に掲げた理由だ。

リ副社長は「CATLは昨年、約748GWhの電池を生産するほどの大規模な体制を持っている。この規模の企業が中核の運用段階でカーボンニュートラルを達成したことは、世界と業界でも先行事例だ」とし、「すでに電池リサイクルの分野では多くの顧客と協力し、ニッケル・コバルト・マンガンなど金属の回収率99.6%、リチウム回収率96.5%まで高めた」と述べた。

◇炭素排出の少ない企業に発注をより多く…CATL、調達から変える

パートナー企業の参加を促すため、CATLは低炭素の企業に受注を優先配分し、長期契約まで提供する計画だ。その過程で、サプライヤーの炭素排出量の測定から、生産・物流・リサイクルの全工程にわたる低炭素転換まで段階的に進める。CATLに電池を納入する産業全体の生産方式を変え、炭素の排出が少ない企業がCATLのサプライチェーンで有利になる構造をつくろうとしている。

グラフィック=チョン・ソヒ

CATLはまず自社のカーボンマネジメントシステムを活用し、鉱物採掘から原料精製・素材生産までサプライチェーンの炭素排出データを追跡している。現在、100社を超える中核一次サプライヤーの炭素データを確保しており、今後は主要な上流サプライチェーン全体へ範囲を広げる計画だ。

その後、低炭素素材と生産工程を導入し、環境配慮型電力の使用を拡大する一方で、物流の電動化と廃電池のリサイクルまで推進する。とりわけ2027年からは新規プロジェクトの入札でカーボンフットプリントの提出を義務化し、再生可能エネルギーの使用比率やエネルギー効率などをサプライヤー評価に反映する。

リ副社長は、こうした「カーボンニュートラル方程式」を自前で構築し、業界の前例をつくることがCATLの役割だと述べた。リ副社長は「CATLのように規模の大きい電池企業の場合、そのまま比較できる他社を見つけるのは難しい。中国でもカーボンニュートラルの事例を多く調べているが、基本的にはCATLの実情に合わせて自ら試み、方法を見いだしてきた」とし、「こうした経験を通じて、今後ほかの場所でも適用できる方法論をつくっている」と語った。

カーボンニュートラルのために進める各種の措置が電池の品質や価格に悪影響を及ぼすのではないかという懸念については線を引いた。リ副社長は「カーボンニュートラルの製品設計は、基本的に顧客が求める電池性能を保証することを前提とする」とし、「CATLのカーボンニュートラルも追加コストを顧客に転嫁するやり方であれば、そもそも持続可能ではない」と説明した。続けて「カーボンニュートラルは結局、負担ではなく利益だ」と述べた。

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