韓米連合訓練が縮小されるなか、太平洋に配備されていた米海軍の航空母艦が中東へ移動し、太平洋の安保空白が現実化しているとの懸念が提起された。当面は武力衝突が発生しないとしても、中国が太平洋での影響力拡大に乗り出すにつれ、米国の安保公約に対する地域同盟国の疑念も高まらざるを得ないとの指摘である。

米空母エイブラハム・リンカーン。/聯合ニュース

18日(現地時間)米軍事専門メディア「ウォーゾーン」によると、太平洋に配備されていた米海軍ジョージ・ワシントン空母打撃群(CSG)が13日、シンガポール海峡を通過し中東へ向かっている。中東地域で海上任務を遂行する航空母艦エイブラハム・リンカーンと交代するためだ。

ジョージ・ワシントンは日本・横須賀基地を母港とするニミッツ級原子力空母だ。2008年から日本に常時配備されてきた。米軍が今回ジョージ・ワシントンの中東移転を決めたことで、太平洋には米空母が不在の状態となった。2024年8月にも中東の緊張激化で同様の空白が生じたことがあるが、その前には「米空母なき太平洋」が現実化した例はなかった。とりわけ米中覇権競争が激化するなか、中国がこれを太平洋での影響力拡大に活用する可能性も提起されている。

米オンラインメディアのアクシオスは、トランプ大統領が最近の北米対話再開を念頭に韓米連合訓練を縮小し、習近平中国国家主席と来月首脳会談に臨む状況で空母不在まで重なったことで、米国の安保公約は信頼できないという中国の主張が強まる可能性があると指摘した。とくにイランとの戦争が長期化し、ジョージ・ワシントンの中東配備が長期化すれば、太平洋地域の米空母不在も数カ月続く可能性を排除できない。

米シンクタンクのハドソン研究所のブライアン・クラーク上級研究員は「台湾やフィリピン、日本は米国がいない状況で中国が軍事的能力を誇示するのを見守ることになり、このパターンが続けば米国が危機の際に実際に支援に乗り出すのか疑問を抱くようになる」と述べ、「近隣諸国を『米国は守ってくれない』と説得できれば、中国は戦争をする必要もない」と語った。

米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)もこの日、社説でトランプ大統領の韓米連合訓練縮小の指示が「米国が信頼できない同盟へと向かっている」というアジアと欧州での認識を一層強めると批判した。WSJはこれにより韓国で自前の核武装を求める声が高まる可能性があるとし、米国の安保能力に対する国際社会の疑念も拡散していると評価した。あわせてジョージ・ワシントンの中東移動を中国は歓迎しており、中国が周辺国に米国の防衛には依存できないとの主張を展開していると付け加えた。

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