中国の人工知能(AI)スタートアップであるDeepSeek(ディープシーク)が最新モデル「V4プロ」を正式に発売し、API価格を最大12倍引き上げた。業界最安水準の価格を前面に出していたDeepSeek(ディープシーク)が大幅に値上げしたことで、開発者の間では「DeepSeek(ディープシーク)ならではのコストパフォーマンスが消えた」との評価が出る一方、現地メディアは新モデルの性能が実際の費用対効果を左右すると分析した。
中国の経済メディアである第一財経によると、DeepSeek(ディープシーク)は13日夜にV4プロの正式発売を発表し、API価格の改定案を併せて公開した。新価格は17日0時(現地時間)から適用される。
今回の価格改定の最大の特徴は「ピーク・非ピーク」料金制の導入である。午前9時〜正午、午後2〜6時をピーク時間帯に指定し、それ以外の時間を非ピーク時間帯として分類し、サービス利用価格を変えた。ピーク時間帯のAPI価格は100万トークン当たり入力9元、出力27元で、従来よりそれぞれ3倍、4.5倍上がる。
とりわけピーク時間帯では、既存の入力資料を再活用する「キャッシュ命中」入力価格が100万トークン当たり0.025元から0.3元に上がり、12倍の値上げとなった。非ピーク時間帯には半額が適用される。DeepSeek(ディープシーク)は「資源をより合理的に配分するためだ」とし、利用者に対し実際の利用状況に応じて作業時間を調整するよう勧告した。
今回の値上げは一般利用者には適用されない。ウェブサイトとモバイルアプリケーション(アプリ)利用者は「専門家モード」を通じてV4プロ正式版を無料で利用できる。
費用負担が大きくなるのは、APIを通じてDeepSeek(ディープシーク)モデルを自社サービスに接続する開発者と企業顧客である。これに対し開発者の間では値上げ幅が過度だとの反応も出ている。
ある開発者は現地メディアに「DeepSeek(ディープシーク)はもはや安価ではない。価格が同級モデルと似てきた」と述べ、「特にピーク時間帯の値上げ幅が大きく、DeepSeek(ディープシーク)ならではのコストパフォーマンスが消えた」と評価した。一部では中国産AI半導体であるファーウェイの「Ascend(アセンド)」チップが市場に急速に普及し、DeepSeek(ディープシーク)が再び価格を下げることを期待する反応も出ている。
ただし新モデルの性能が他のAIモデルに比べて圧倒的という水準ではないことが示された。AIモデル評価機関のArtificial AnalysisではV4プロの知能スコアは53点で全体9位となり、ArenaではV4プロMaxが全体で約8位、オープンソースモデルの中ではMoonshotの「Kimi K3 Max」に次いで2位となった。ただしまだ大規模な利用者投票に基づく結果ではないため、順位は今後変動する可能性がある。
第一財経は「今回の値上げでDeepSeek(ディープシーク)がもはや安価ではなくなった中、実際の費用対効果は結局性能次第だ」とし、「新モデルが実際の本番環境で開発者がより少ないトークンでより多くの作業を処理できるようにするかどうかが、開発者がより高い費用を受け入れられるかを左右する見通しだ」と伝えた。