イラン戦が半年を超えるなか、世界最強を自負していた米海軍も崩れている。中東に250日以上縛り付けられた米空母エイブラハム・リンカーンで洗濯設備が停止し、乗組員がストレスから投身を試みたとの証言まで出た。
APは13日(現地時間)、リンカーンが寄港せず、開戦以降240日以上にわたりオマーン湾海域近くの海上にとどまっていると伝えた。現代の米海軍空母の中で連続海上滞在の記録である。リンカーンは昨年11月21日に米サンディエゴを出発し、今年1月に北アラビア海に到着した。その後、2月28日に始まったイラン戦で中核の爆撃作戦とイラン港湾封鎖という重責を担った。リンカーンは当初、5月に配備が終わる予定だったが、戦争が長期化し作戦期限が繰り返し延長された。リチャード・ブルーメンサル上院軍事委員会所属議員は「リンカーン乗組員が艦を降りて休む正式な寄港が200日以上なかった」と明らかにした。
米海軍は空母の海外配備を通常6〜7カ月とするが、途中で港に入れて補給と整備、乗組員の休養を一度に解決する。寄港は乗組員が艦外に出るほぼ唯一の休息時間だ。空母ジェラルド・R・フォードは11カ月間作戦を維持する中でも、3月にクロアチアのスプリトに停泊し、一定期間の整備を受け、乗組員に陸上休養を与えた。
民主党の下院議員マイク・レヴィンは、リンカーン乗組員からの通報を通じて、カビの生えた艦内シャワー施設や故障したトイレ、数週間止まった洗濯設備を整理して公表した。世界最強の海軍という名声とは裏腹に、空母内では温水が長く止まり、石けんや歯磨き粉、消臭剤も切れた。議会は、乗組員の1食が米半カップとトルティーヤ2枚にとどまった事例もあると伝えた。
米海軍はイランとの戦闘が長期化するなかで、中東の補給拠点がうまく機能していないと認めた。続けて、残る輸送能力を集中し、食糧、衛生用品、郵便の順に空母の環境を整備すると説明した。
一部では米海軍空母史上最長の海上滞在記録が続くなかで、乗組員のメンタルヘルスをめぐる論争が提起された。米軍専門メディアのネイビー・タイムズは乗組員と家族を取材し、「空母内で乗組員の投身未遂が複数回あった」と報じた。ネイビー・タイムズにインタビューに応じたアナベル・ロマ氏は「投身を試みた夫が13年の経歴を不名誉除隊で終えることになるのではと恐れている」と述べた。米軍機関紙スターズ・アンド・ストライプスは、最近サンディエゴで開かれた米軍家族の懇談会で、ある配偶者がリンカーン乗組員である夫から『明日、目覚めなければいいのに』というメッセージを受け、泣きながら訴えたと伝えた。
米海軍は今月初め、乗組員1人が海に落ち、その直後にヘリで救助され艦内の医療班の治療を受けた後、艦外へ搬送されたと認めた。ただし軍はこの事件を自殺未遂とは規定しなかった。正確な事件経緯についても「現在調査中」とし、「艦で自殺衝動や自殺未遂が増えたと確認した事実はない」と述べた。
米海軍大学院の研究チームが昨年1月に公表した956人対象の研究によれば、艦艇に勤務する米海軍将兵は米軍全体の中で最も深刻な心理的苦痛を経験していることが分かった。研究チームは、彼らが劣悪な居住環境や慢性的な機体騒音、睡眠時間を確保しにくい24時間勤務のスケジュールに苦しめられていると指摘した。
米軍はリンカーン乗組員の問題が浮上すると、この場所に別の空母を予定より早く押し込む交代案を選択した。リンカーンを代替する空母は、日本を母港に南シナ海で活動していたジョージ・ワシントンになる見通しだ。軍関係者は、ジョージ・ワシントンが現在ベトナムのダナンに寄港した後、巡洋艦、駆逐艦とともにマラッカ海峡を西へ通過したと伝えた。ただしジョージ・ワシントンがリンカーンの穴を埋めるために抜ければ、太平洋には当面、米空母がない空白期間が生じる見通しだ。
ブライアン・クラーク・ハドソン研究所上級研究員は13日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に「イラン戦で空母の整備日程が押している」とし、「米海軍艦隊が理想的な即応態勢に戻るのに3年かかる可能性がある」と試算した。続けて「平時であればジョージ・ワシントンは哨戒活動を行い、フィリピンや日本のような国々に米国の太平洋防衛の意思と確かな支援の方向性を示すだろう」とし、「今回の決定で近隣諸国との関係に影響を与える戦略的な機会をすべて放棄することになった」と述べた。