中国の長期的な不動産低迷と景気減速で消費マインドが冷え込み、海外旅行需要も減っている。旅行に行く場合でも、費用がかさむ欧州や米州の代わりに近場のアジア各国を選ぶ傾向が一段と鮮明になっている。
14日、中国の旅行マーケティング企業チャイナトレーディングデスクは、今年の中国人の海外旅行件数見通しを約1億7,900万件、海外旅行支出見通しを約2,580億ドル(約366兆ウォン)へ下方修正した。新型コロナウイルスのパンデミック以前の水準を上回る過去最大規模ではあるが、両見通しは6月に示した従来見通しより約3%低下した。
中国人観光客は2019年だけでも香港・マカオなど中華圏地域を含め約1億7,500万件の海外旅行を行い、約2,550億ドル(約361兆ウォン)を支出した「旅行の大口」であった。しかし中国の不動産不況に端を発した経済難が長期化し、海外旅行も鈍化しているとブルームバーグ通信は分析した。
実際、今年に入って中国の消費マインドは急速に萎縮している。上半期の社会消費財小売総額は前年同期比1.3%増にとどまった。特に5月は前年同月比0.6%減となり、新型コロナの打撃が大きかった2022年12月以降で初めてマイナスを記録した。
このため中国の消費者は旅行、特に費用のかかる長距離旅行を減らし始めた。ブルームバーグは「フランスのような長距離の旅行先は訪問客数がはるかに少ない」とし、今年フランスを訪れる中国人観光客は約220万人にとどまるとの見通しを示した。
一方で中国本土に近い香港とマカオは、中国人の海外旅行市場の約40%を占め、最も人気のある目的地として浮上した。ただし消費マインドが萎縮している分、観光客の増加が観光収入の増加に直結するとは限らない見通しだ。香港を訪れる中国人観光客は今年4,100万人に達すると予想されるが、1人当たり平均支出額は310ドルにすぎない。
これまで中国人観光客に好まれてきた日本は、高市早苗日本首相の「台湾有事関与」示唆発言以降、反日感情が高まり旅行需要が大きく減った。今年日本を訪れる中国人観光客は410万人にとどまる見通しだ。タイも東南アジア詐欺組織に関連する安全面の懸念などで人気がしぼんでいる状況だ。
こうした旅行需要の再編の最大の受益国としては韓国が挙げられる。年初来、中国人観光客に対するビザ規定の緩和も重なり、今年韓国を訪れる中国人観光客は700万人に達する見通しだ。総支出額は約130億ドル、1人当たり支出額は1,815ドルと予想される。
チャイナトレーディングデスクのスブラマニア・バット代表は「中国の消費者が旅行を望まなくなったのではないが、出かけるに値するかをより厳格に見極めている」と述べ、「弱含んでいるのは旅行回数だ。これは消費者が消えたのではなく慎重になったことを示す」と語った。