イラン戦争で米国産原油の需要が急増したうえ、エルニーニョに伴う水位低下で運河の通航制限措置まで実施され、パナマ運河の通航権価格が急速に上昇している。通航順を早めるための競売価格は400万ドル(約56億ウォン)に達した。

7日(現地時間)、パナマ・パナマ市で行われた多国籍軍事訓練「パナマックス2026」に参加した米国沿岸警備隊の巡視船「ジェームズ」がパナマ運河入口近くのアマドール港に停泊している。/ ロイター=聯合

11日(現地時間)英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、パナマ運河の主要な閘門を通過するための通航権の競売価格は今月に入り平均約110万ドル(約16億ウォン)を記録した。これは前年同期間の平均価格の16倍を超える水準である。

一部の船舶は通航順を早めるために400万ドルを支払ったとされる。ブルームバーグ通信はこの日、コンテナ船「シースパン・ベネファクター(Seaspan Benefactor)」の船主がパナマ運河の通航順を前倒しする競売で400万ドルを支払ったと報じた。通常、パナマ運河を通過する船舶は事前予約を通じて定められた料金を支払うが、パナマ運河庁は一般の待機列を飛ばして通航順を前倒しできる競売も運営している。

パナマ運河の通航権価格はイラン戦争勃発以降、継続的に上昇してきた。世界の原油物流量の5分の1が通る要衝であるホルムズ海峡が閉鎖され、アジアの買い手が米国のガルフ岸で原油と石油製品の購入を増やし、これに伴いパナマ運河の通航需要が急増したためである。

ここに6月からエルニーニョ現象が深刻化し、パナマ運河の水位まで下がった。これを受けパナマ運河庁は、閘門を通過する船舶の最大許容喫水(draft・水中に沈んだ船体の深さ)を段階的に引き下げている。過去1カ月間、パナマックス閘門について3回の喫水制限措置が発表され、これにより9月3日までに最大許容喫水は通常の50フィートから47.5フィートへ引き下げられる予定である。

喫水制限が強化されると、船舶は水中に沈む量を減らすため積載量を減らさなければならない。この場合、海運会社と顧客の輸送コストが増えるうえ、全長約50マイル(約80km)に達するパナマ運河の入り口に通航を待つ船舶が大量に集中し得るとFTは伝えた。ブルームバーグによると、液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)、原油および精製石油製品などを運ぶネオパナマックス級の船舶は、太平洋から大西洋方向にパナマ運河を通過するには10日待たねばならない。

原材料価格情報会社アーガスによると、ここ数週間、大型船が利用するパナマ運河の大型閘門の通航権競売価格は平均250万ドル(約25億ウォン)に達した。7月28日以降の一部の個別競売では、大型閘門であるネオパナマックスと、大多数の船舶が通るパナマックス閘門の通航権価格がそれぞれ最高378万ドル(約53億ウォン)と263万ドル(約37億ウォン)まで跳ね上がった。

アーガスのロス・グリフィス米州貨物運賃価格部門責任者は「現在の問題は水位が着実に下がっている点だ」と述べ、「本来5月から12月までは水位がこのように下がってはならない時期だ」と語った。

閘門の維持・補修作業も運河のボトルネックを深刻化させている。ブルームバーグは「9月まで続く見通しの補修作業が、ネオパナマックス級船舶が利用する閘門の運用にも影響を及ぼしている」と伝えた。

ホルムズ海峡の閉鎖が長期化するうえ、エルニーニョによる水位低下への懸念も続くなか、当面パナマ運河の通航権価格は高水準を維持する見通しである。パナマ運河に水を供給する人工湖であるガトゥン湖の水位は現在、1965〜2022年の平均値を下回っており、今後数カ月の間にさらに低下すると予想されるとアーガスは試算した。

パナマ運河庁は、最近運河を通過した一部の船舶が各自の市場需要に合わせて通航権を確保するため競売で100万ドルを超える金額を支払ったのは事実だとしつつも、これはパナマ運河が定めた公式の通行料ではなく「一時的な市場価格の変動」を反映したものだと説明した。

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