米国内で売上不振に直面した主要消費財企業が海外、特に東南アジアや中南米などの新興市場に目を向けている。自国市場では販売が鈍化または減少する一方で、新興市場では相対的に高い成長を示したことから、海外で新たな突破口を探し始めたということだ。

米ニューヨークのスーパーマーケットの棚にハインツの「リアルマヨ(REAL MAYO)」が並ぶ=昨年8月、ロイター

9日(現地時間)のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ハギーズの紙おむつとスコットのペーパータオルを製造するキンバリークラークのマイク・スー最高経営責任者(CEO)は先週の決算発表カンファレンスコールで「消費者は明らかに以前よりも大きな圧力にさらされている」と述べた。キンバリークラークの米国内売上は小幅減となったが、海外売上は増加した。

特にベトナムとインドで顕著な成長を示した。ベトナムでは、過去に中国で成功を収めたソーシャルメディア(SNS)販売戦略を活用して成果を上げている。今年に入りベトナムでの同社の電子商取引事業規模は2倍に拡大した。インドでは高級紙おむつ製品の売上が67%増加した。

他社の状況も似通っている。米食品大手クラフト・ハインツは5日(現地時間)、直近四半期の新興市場における純売上が10%増の7億7100万ドルを記録したと明らかにした。これに対し、売上規模がより大きい北米と海外先進市場ではいずれも売上が減少した。

米国を代表するファストフードチェーンのマクドナルドも、米国では顧客来店が頭打ちとなるなど不振に直面しているが、日本やドイツ、オーストラリア、英国など複数の海外市場では売上が増加していると明らかにした。マクドナルドは最近、米国事業部のトップも交代した。

米消費財企業は数年にわたり、値上げや価格据え置きのまま製品容量を減らす手法で収益性を改善してきた。新型コロナウイルスのパンデミック以降、米国の消費者の支出余力が高まったことも売上増加を下支えした。しかし最近は燃料費をはじめとする各種物価が上昇し、景気の不確実性が高まるなかで消費者が支出に慎重になり、企業も売上不振に直面している。米国を代表するコーヒーチェーンのスターバックスは昨年、北米で業績不振の店舗数百店を閉鎖した。

WSJは「米国ではナプキンからサラダ用ボウルに至るまで日用品の販売が鈍化している」とし、「企業経営陣は、インフレに苦しみ経済状況を懸念する米国の消費者が支出に一層慎重になっているためだと説明する」と伝えた。

一方、新興市場は米消費財企業にとって相対的に成長余地が大きい市場とされる。すでに米国では流通網と店舗網が広範に構築されている一方で、新興市場では販売網の拡大だけでも追加成長を見込めるためだ。

スティーブ・ケイヒレイン・クラフト・ハインツCEOは「米国では食料品店のどの棚に行ってもクラフト・ハインツ製品を見つけられる」と述べた。すでに製品が広範に流通している米国では追加の成長余地が限定的である一方、新興市場では流通網を増やすだけでも成長率を引き上げられるという説明だ。

このため米消費財企業は海外市場の攻略を加速している。ブライアン・ニコル・スターバックスCEOは最近の投資家向けカンファレンスコールで「海外事業が店舗数の増加に意味ある貢献をすることを期待している」と述べた。

チポトレも米国外で成長機会を探っている。先月、メキシコ北部のモンテレイ地域にメキシコ第1号店を開設し、現地運営会社は年末までにヌエボレオン州に店舗を追加で出店する計画だ。2027年にはメキシコシティへ事業を拡大する。

オレオとトブラローネを製造するグローバル菓子メーカーのモンデリーズ・インターナショナルも新興市場で高い成長を示している。直近の同社の四半期・新興市場純売上は7.4%増となり、先進市場の伸び率(1.9%)を大きく上回った。ダーク・ファン・デ・プット・モンデリーズCEOは最近のカンファレンスコールで海外市場について「より多くの消費者が毎日より多くの製品を消費するようにできる成長余地はまだ多く残っている」と述べた。

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