南米を代表する親トランプ性向の指導者とされるハビエル・ミレイ・アルゼンチン大統領が、自国企業が推進する中国通信企業ファーウェイとの契約をめぐり、苦しい状況に置かれている。

7日(現地時間)主要海外メディアによると、最近アルゼンチン・ネウケン州の電力協同組合(CALF)がファーウェイとデータセンター構築契約を推進すると、米国が全方位的な圧力に乗り出した。アルゼンチン南部最大の電力供給業者であるCALFは先月、ファーウェイとの協力を拡大し、初の光ファイバーネットワークを構築し、送電網の近代化事業も併せて推進すると発表した経緯がある。

ハビエル・ミレイ アルゼンチン大統領 / AFP=聯合

◇米、「ファーウェイ協力」企業幹部のビザ制限

CALFは6日の声明で、米国大使館関係者が自社幹部に対しファーウェイと進行中のプロジェクトを取り消す可能性があるかを問い合わせる一方で、「ファーウェイ関連プロジェクトの取締役に対して米国政府がビザの発給を制限または取り消す政策を実施している」と言及したと明らかにした。

現地日刊紙クラリンは、米国がCALFがファーウェイとデータセンター構築契約を推進する場合、取締役の米国ビザを取り消し得るとの立場を伝えたと報じた。これにより、CALFの取締役16人と監査役2人など少なくとも18人がビザ取り消しの対象となり得るという。米国が実際にCALF関係者のビザを取り消した事実は確認されていないものの、ファーウェイとの契約を推進するCALFに強い圧力をかけた格好だ。

これはトランプ政権が中南米で中国の影響力拡大をけん制する措置と解釈される。トランプ政権は昨年、外交・経済・軍事分野の総合戦略指針である2025年国家安全保障戦略(NSS)報告書を通じて、中国を標的にした「ドンロー(Donroe・ドナルド・トランプとジェームズ・モンローの合成語)ドクトリン」を公式化した。

ピーター・ラメラス駐アルゼンチン米国大使はソーシャルメディア(SNS)Xで「誰が自国に入国できるかを決定するのはすべての主権国家の権限だ」とし、「ビザ発給の拒否や取り消しは処罰ではなく、国家の安全と利益を守るための決定だ」と述べた。

中国も即座に反発した。駐アルゼンチン中国大使館は報道官声明で、米国が「中国脅威論」を誇張し国家安全保障の概念を乱用して、アルゼンチン企業とファーウェイ間の正常な協力を妨害していると主張した。続けて「ビザ取り消しを武器に正常な企業活動を妨げるのは、米国の傲慢と偏見を示す行為であり、アルゼンチンの主権を尊重しない処し方であり、自由市場の原則を深刻に損なうものだ」と批判した。

昨年10月に米ホワイトハウスで会談したドナルド・トランプ米大統領(左)とハビエル・ミレイ アルゼンチン大統領 / AFP=聯合

◇米中の間で均衡を探る必要があるミレイ

アルゼンチンで起きている米中の神経戦の中で、トランプ大統領の核心的な友邦であるミレイ政権が進退両難に陥ったとの評価が出ている。トランプ大統領はこれまでミレイ大統領を「友人」と呼んできており、昨年アルゼンチンが経済難に直面すると中間選挙を前に米国財務省は異例にもペソを直接買い入れ、200億ドル規模の金融支援に乗り出した。これを機に選挙前までレームダック懸念に苦しんでいたミレイ政権は一息つくことができた。

米国にとってミレイ大統領は中国をけん制する中核パートナーだ。スコット・ベサント米国財務長官はアルゼンチンを支援した後の昨年10月に「ミレイ大統領はアルゼンチンから中国の影響力を一掃することに専念している」と語ったこともある。

しかしミレイ政権も中国を無視するのは容易ではない。中国はアルゼンチン中央銀行の主要債権国であり、農産物の最大輸出市場の一つだ。このため大統領選挙期間中に中国政府を「殺人者たち」と非難していたミレイ大統領は、2023年の就任以降はアルゼンチンの第二の貿易相手国である中国への公開批判を自制し、翌年には中国を「優れたパートナー」と評価することもあった。

中国の経済的影響力もますます大きくなっている。AP通信によると、シーイン(Shein)、テム(Temu)、アリエクスプレス(AliExpress)など中国の電子商取引プラットフォームはアルゼンチンで最も人気のあるショッピングアプリの一つとして定着し、20社を超える中国自動車メーカーが60種以上の車両を販売している。中国のガンフェン・リチウム(Ganfeng Lithium)もアルゼンチン北部のリチウム開発に大規模投資を続けている。

このためミレイ大統領はCALFとファーウェイ契約をめぐる今回の論争について、いまだ沈黙を守っている。英フィナンシャル・タイムズ(FT)は「今回の事件は、トランプ大統領の強力な友邦であるハビエル・ミレイ大統領が米国と中国の間で受ける相反する圧力を示している」と評価した。

結局ミレイ大統領は、米国と中国のいずれか一方の機嫌を大きく損ねることなく国益を守る解法を見いださねばならない立場だ。ベンジャミン・ゲダン米国スティムソンセンター(Stimson Center)上級研究員兼ラテンアメリカプログラム責任者はAP通信とのインタビューで「ある側面ではトランプ大統領がアルゼンチンに息継ぎの余地を与えた」としつつも、「ファーウェイとの取引は機微なインフラと戦略資産が関係する場合が多く、米国が決して譲歩しない『レッドライン(red line)』に該当する」と述べた。

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