ドナルド・トランプ米政権が全方位的な制裁でキューバ経済を圧迫しているなか、キューバ政界内部の亀裂を誘導するための秘密タスクフォース(TF)まで新設したことが分かった。
5日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、米中央情報局(CIA)がキューバ政界内部の亀裂を誘導するための秘密TFを新設したと報じた。この組織は、キューバの政治エリート内部の分裂を促進し、トランプ大統領が要求する経済・政治・指導部の改革を引き出すことを目標としていると伝えた。
今回のTF新設により、CIAはキューバに予算と人員、技術資産をより迅速に投入できるようになった。新組織には、海外情報員を勧誘・管理する現場工作官、情報分析官、サイバー作戦担当官、秘密影響力工作の専門家などがすでに追加配備され始めているとNYTは伝えた。
先立って米政治専門メディアのポリティコも消息筋を引用し、「米国が最近キューバにスパイと情報員を派遣した」とし、「キューバ共産主義政権が改革に乗り出すか、権力から退くよう圧力をかけるための措置だ」と報じたことがある。
CIAは冷戦期の1960年代にもフィデル・カストロ政権転覆のためにキューバ亡命勢力を訓練・支援したうえで投入した『ピッグス湾侵攻』を主導したが、作戦は失敗に終わった。その後も米国は数十年にわたりキューバで情報活動を展開してきたが、キューバ駐在の米情報・外交要員が原因不明の疾患を患った『ハバナ症候群』事態以降、現地での情報活動は大きく萎縮した状態だった。
今回のTF新設は、トランプ大統領の対キューバ戦略が反映された措置と評価される。キューバは長期にわたる米国のエネルギー禁輸措置で停電が頻発し、主要な外貨収入源である観光産業も崩壊水準に達したが、政権は依然として持ちこたえている。
これを受け、米国は年初にニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領を電撃的に拘束したのち、米国に協力的なデルシ・ロドリゲス暫定大統領が政権を握ったように、反米色が強いキューバの政治エリート内部に亀裂を起こし、米国の要求を受け入れる可能性が高い指導部への交代を誘導しようとする構想だと解釈される。
ただし、キューバ秘密TFの活動範囲は過去より限定的になる見通しだ。1960年代のキューバTFがピッグス湾侵攻当時にキューバ亡命勢力を訓練・武装させる役割まで担ったのとは異なり、現在のCIAは組織化されたキューバ協力勢力を保有しておらず、致命的攻撃を支援する権限もないとされる。
今回のTF新設は、トランプ政権がキューバ内部の状況をより正確に把握するために情報収集を強化する動きとも重なる。トランプ政権は情報収集の優先順位を定める国家情報収集優先順位体系(NIPF)を最近改正し、キューバを中国、イラン、ロシアと並ぶ最高等級の『優先順位1(Priority 1)』国に指定した。これにより、国家安全保障局(NSA)、国家地理空間情報局(NGA)など米情報機関は、衛星と各種情報収集資産を以前より集中的にキューバへ投入し始めたと関係者は伝えた。
NYTは「キューバTFは新たに確保される情報を分析し、キューバ指導部と政治エリートの内部動向を集中的に追跡する予定だ」とし、「とりわけ不透明な資金の流れや国内外の事業取引を綿密に精査し、今後これを公表してキューバ指導部と世論に影響を与える方策も検討している」と伝えた。