国際為替市場で「サンドバッグ」扱いを受けていた日本の円が、米日共同の為替介入以後に再評価されている。米国が日本の背後に立つと、これまで円安を見込んできたグローバル金融機関は相次いで為替見通しを改めるか、円を売ってドルを買う取引のリスク度合いが以前より大きくなったと警告に乗り出した。

5日(現地時間)バンク・オブ・アメリカ(BofA)は年末の米ドルに対する円相場の見通しを従来の152円から149円へ引き下げた(円高)。米ドルに対する円相場が下がれば、同じ1ドルを買うのに必要な円が減る。その分だけ円の価値が上がる。現在158円前後の相場がBofAの見通しどおり年末に149円まで下がれば、円の価値は今より約6%上がる。日本の野村證券は年末見通しとしてBofAより低い147.5円を提示した。

3日に日本と米国が共同で円買い介入を実施した後、円相場を示す電子スクリーンの前を男性が通り過ぎている。/聯合ニュース

円は先月ドル当たり163.99円まで押し込まれ、約40年ぶりの安値水準まで下落した。しかし米国と日本がともに円を買い支えた3日以降、一時155.20円まで上昇した。その後6日午前時点で157〜158円台へ一部戻したが、介入前の水準まで再び押し戻されはしなかった。日本が単独で介入に踏み切ってから数日で上昇分をそっくり返上した過去の事例とは異なる流れである。

それ以前まで投機筋は日本政府の金庫事情を勘案して円を積極的に売買してきた。日本が単独で介入する場合、政府が保有する外貨準備、すなわち為替介入に使えるドル規模には明確な限界があった。投機筋は日本に残るドルがいくらかを勘定し、弾が尽きたと判断すれば再び円を売り浴びせた。こうした取引が繰り返されたため、日本政府が為替市場に介入しても効果は長続きしなかった。

しかしBofAは5日のリポートで「自国通貨を守ろうとする単独介入は外貨準備高が上限とみなされ得るが、米国が参加したことで介入を制約していた究極的な限界は事実上取り除かれた」と評価した。スコット・ベサント米財務長官は4日の米CNBCのインタビューで「米国経済と納税者に資するやり方で、日本を支援するために何でもやる(whatever it takes)」と述べた。2012年のユーロ圏金融危機当時、マリオ・ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁が「ユーロを守る」として用いた表現をそのまま借用した発言である。BofAはこれを根拠に、円の価値を長期に安定させるとの共同目標が両国の為替協調の背景にあるとみている。

円はこれまで国際金融市場で最も手頃な通貨扱いを受けてきた。日本の金利は数十年にわたり主要経済大国の中で最も低い水準だ。円を安く借りて売り、その資金で金利の高い米国資産に投資すれば、金利差益と円安に伴う為替差益を同時に得られる。市場ではこうした取引を「円キャリートレード」と呼ぶ。しかし日本の背後に米国が付いたことで、円キャリートレードの過程でいつ再び両国政府が介入するか分からないという緊張感が高まった。フランスの金融機関BNPパリバはこの日「米国の介入以後、ドル・円のロング取引でリスクに対する期待収益が大きく悪化した」と評価した。

日本最大の金融グループ三菱UFJ(MUFG)も同様の見立てを示した。デリク・ハルペニーMUFG欧州・中東・アフリカ(EMEA)グローバル・マーケット・リサーチ統括は5日、ロイターに「米国の参加は、日本が単独で介入していた過去のいかなる時よりもドル・円のロング志向をはるかに強く抑制する重大な変化だ」と述べた。

米国は今回の為替介入以後、独立性が保障されるべき日本銀行の政策金利決定権にまで揺さぶりをかけている。スコット・ベサント米財務長官は4日のCNBCインタビューで「介入の後には政策とファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の改善が続かなければならない」と語った。金融市場はこの発言を、日本銀行が9月会合で政策金利を引き上げるべきだとの圧力と受け止めた。米日金利差が予想より早く縮小すれば、円を借りて売る誘因もその分だけ減る。

ロイターが先月31日から今月5日まで為替ストラテジスト約60人を対象に実施した調査によると、回答者の約95%は「一時的な為替介入だけでは円安の継続を防ぐのは難しい」と答えた。こう答えた回答者のほぼ全員は「日本銀行が金利を引き上げてこそ円安を反転させることができる」とみた。

米資産運用会社バンガードの国際金利統括、アレス・クトゥニーは「為替介入は通貨価値の下落速度を緩め、短期的な下支えを与えることはできるが、歴史を見ればファンダメンタルズが変わらない限り効果は比較的早く消えた」とし、「大規模介入が作った流れが数カ月ではなく数日や数週間にとどまった事例をすでに何度も見てきた」と述べた。BofAもリポートで「日本銀行が10月まで待たずに9月に利上げしてこそ介入効果を守れる」と主張した。

日本銀行は6月に政策金利を31年ぶりの高水準である年1%へ引き上げた。それ以前まで日本銀行はおおよそ半年に一度の頻度で政策金利を引き上げてきた。もし日本銀行が9月に政策金利を再び引き上げれば、従前(6カ月)よりはるかに早い3カ月での引き上げとなる見通しだ。

アヤコ・フジタJPモルガン証券の主任日本エコノミストは5日、ロイターに「日本銀行は9月利上げの扉を開いてはいるが、過去の利上げが経済に及ぼした影響をさらに精査するため10月まで待ちたい公算が大きい」とし、「9月に引き上げれば12月会合でも追加利上げが議論され得る」と述べた。

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