米国務省が日本の名古屋をはじめとする海外公館5カ所を閉鎖する案を進めている。特定の地政学的危機ではなく予算削減のためのリストラの一環として海外の外交ネットワークを縮小するのは異例だとの評価が出ている。
3日(現地時間)ロイターは複数の消息筋を引用し、米国務省が最近、米議会の一部常任委員会に海外公館5カ所を閉鎖する計画だと通報したと報じた。閉鎖対象は日本の名古屋総領事館、カナダのウィニペグ総領事館、インドネシアのメダン総領事館、カメルーンのドゥアラ大使館分館、グレナダのセントジョージズ大使館である。
今回の措置は特定地域の紛争や外交的対立によるものではなく、米国の海外外交ネットワークを縮小するためのリストラの一環である。ロイターは、米国が地政学的事案と無関係に複数の海外公館を一度に閉鎖するのは稀だと伝えた。
トランプ政権は昨年発足初期から「アメリカ・ファースト(America First)」路線に沿って連邦政府組織の縮小を進めてきた。当時、国務省は世界の海外公館10カ所余りを閉鎖する案を検討し、ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)は最大30カ所まで減らす案を提案したとされる。ただし昨年は国務省が数百人の職員を削減し組織を改編しただけで、実際に海外公館を閉鎖するには至らなかった。今回の計画が実施されれば、トランプ政権下で海外の外交拠点が実際に縮小される初の事例となる見通しだ。
国務省は公館閉鎖の有無は確認しなかったが、「米国の外交ネットワークが効率的かつ効果的に運営されるよう注力しており、議会への通報手続きを順守している」と述べた。
今回の措置について、民主党と一部の外交・安保専門家は米国の海外における外交能力が弱まる可能性があると懸念する。とりわけ対外援助を担ってきた米国際開発庁(USAID)の機能縮小と相まって、中国とロシアに外交的影響力を拡大する余地を与えるとの指摘も出ている。
これはバイデン政権が中国との影響力競争が激しい太平洋地域を中心に新たな海外公館を開設してきたこととは対照的な動きである。中国は今回の閉鎖対象公館の所在地域のうち、日本の名古屋、インドネシアのメダン、グレナダのセントジョージズに外交拠点を置いている。