中東を代表する産油富国であるサウジアラビアの今年2四半期(4〜6月)の国内総生産(GDP)が後退したとの暫定集計である。イラン戦争によりサウジ経済を支える石油輸出に支障が生じた影響だ。
30日(現地時間)にサウジ統計庁が発表した暫定値によると、今年2四半期のGDPは前年同期比4.8%減少した。1四半期のGDPが前年同期比3%成長だったのと比べると大幅な減少で、新型コロナウイルスのパンデミック以降で最も大きい四半期の下落幅だ。
とりわけ石油部門は1四半期の2.9%成長から2四半期には24.7%減少へ転じ、全体の成長率を押し下げた。サウジ政府が経済多角化の中核戦略として育成している非石油部門も、1四半期の2.9%成長から2四半期には0.6%成長にとどまり、大きく減速した。
ブルームバーグ通信は「今回の指標は、約5カ月にわたり続いている米国・イスラエルの対イラン軍事作戦が、中東最大のアラブ経済国であるサウジにいかに大きな負担を与えているかを示す最も明白な指標だ」と評価した。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)も今回のGDP暫定値について「米国とイランの間で数カ月続く戦争が、いつどのように終わるのか不確実な状況下で、サウジ経済に相当な負担を与えていることを示している」と伝えた。
サウジは経済に占める石油の比重が40%に達すると推計されるほど石油依存度が高い。しかしイランがホルムズ海峡を封鎖し、世界最大の原油輸出国であるサウジの輸出ルートにも支障が生じ、中東諸国の中で戦争の衝撃に耐える余力が最も大きいと評価されてきたサウジ経済までも揺らいでいる。
サウジは紅海沿岸のヤンブ(Yanbu)港につながる送油管を迂回経路として活用し、日量500万バレルの石油輸出を続けてきたが、イラン戦争勃発以前と比べると輸出量は大きく減った。
さらに、イランの支援を受けるイエメンの武装組織フーシ派が20日に紅海でサウジに対する海上封鎖を宣言し、3四半期のGDP成長率はより大きく減少する可能性が高い。ホルムズ海峡の通航再開に直結する米国とイランの和平交渉は依然として足踏みであるうえ、サウジは米国とともにイラク国内の親イラン民兵を攻撃し、直接的な軍事行動にも乗り出している。
ブルームバーグ・エコノミクスの新興市場担当チーフエコノミストであるジアド・ダウードは「海上輸送路が漸進的に再開されるなら、今年のサウジ経済がマイナス成長になるのは防げる」としつつも、「米国とイランの間の緊張が再び高まり、フーシ派反乱勢力とイラク民兵の攻撃が続く可能性を考慮すると、その可能性は大きくない」と述べた。
ただしサウジ経済の回復力は依然として堅調だとの評価もある。先に国際通貨基金(IMF)は報告書で、サウジの「堅固なマクロ経済基盤と多角化した石油・物流インフラ」が戦争による交易の混乱の中でも経済の回復力を支えたと評価した。IMFは、今年のサウジ経済成長率が1.7%を記録し、昨年の4.6%から大きく減速すると予測した。