2019年のグレン・ハンサード。/AP 聯合ニュース

映画「Once(ワンス)」の主人公であり、アイルランドを代表する音楽家であるグレン・ハンサードが突然の事故で死去した。享年56歳。

29日(現地時間)にBBC放送が伝えたところによると、音楽マネジメント会社ATCマネジメントは「本日未明、グレン・ハンサードがダブリンで発生した交通事故により死去したことを悲痛な思いで知らせる」とし、「家族は大きな衝撃と悲しみに沈んでおり、非常に困難な時期のため私生活の尊重をお願いしたい」と明らかにした。

現地警察はこの日未明、ダブリン西部のルーカン地域の道路で、ハンサードが1人でオートバイに乗っていて起きた今回の事故の目撃者を探している。

1970年にダブリンで生まれたハンサードは、13歳という若さで学校を辞め、街頭でギターを弾きながら音楽人生を始めた。1990年にロックグループ「The Frames(フレイムス)」を結成して活動を続け、1991年には音楽を扱った映画「The Commitments(コミットメンツ)」に顔を出す場面もあった。

名前を世界に広く知らしめた契機は2007年に公開された低予算のインディペンデント映画「Once(ワンス)」である。チェコ出身の音楽家マルケタ・イルグロヴァと呼吸を合わせたこの作品は、世界各地で2,000万ドル(約288億ウォン)以上の収益を上げ、大きな人気を博した。とりわけ、劇中で2人が結成したプロジェクトチーム「The Swell Season(スウェル・シーズン)」が歌った主題歌「Falling Slowly(フォーリング・スローリー)」は第80回アカデミー賞で歌曲賞を受賞する栄誉に輝いた。この映画はのちにブロードウェイのミュージカルにもなり、2012年にトニー賞8部門を席巻した。

韓国のファンとの縁も深い。かつて恋人関係にあったイルグロヴァと別れた後も、2009年に別れの痛みを込めたアルバム「Strict Joy(ストリクト・ジョイ)」を発売し、共に複数回にわたり韓国を訪れて公演を行った。とりわけ2009年の来韓当時は、1回当たり平均2,700人を超える有料観客を集め、その年に世宗文化会館で開かれた公演の中で最多観客を記録した。2010年代以降はソロ活動に乗り出し、2015年に発表したアルバム「Didn't He Ramble(ディドント・ヒー・ランブル)」でグラミー賞最優秀フォーク・アルバム部門の候補に名を連ねた。

音楽活動だけでなく、社会の暗部を照らす取り組みにも先頭に立った。アイルランドが金融危機に直面していた2010年から毎年クリスマスイブにダブリン市内でストリートライブを開き、ホームレスなどの疎外層を支援するため約200万ユーロ(約33億ウォン)の寄付金を集めた。

故人の遺族は、フィンランド出身の詩人である妻マイレ・サリチャと、3歳の息子である。

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