ニューヨーク株式市場で主要3指数が29日(現地時間)そろって下落して取引を終えた。米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派(金融引き締め志向)色を鮮明にし、利下げ期待が失望に変わった。中東地域での軍事的衝突への緊張が再び高まり、人工知能(AI)ブームも沈静化するなかで投資家心理が萎縮したと専門家は評価した。

29日、ニューヨーク証券取引所でダウ工業株30種平均は前営業日比1152ポイント(2.2%)急落して取引を終えた。これは2025年4月以降で最大の下げ幅である。大型株中心のS&P500指数も1.5%下落した。ハイテク株中心のナスダック総合指数も1.7%下落して取引を終えた。とりわけ大型テック株の動向を示すナスダック100指数は6月の高値比で11%以上下落し、テクニカルな調整局面に入った。株式市場でいう調整局面は、株価が直近高値比で10%以上下落する現象を指す。

この日FRBは今回の連邦公開市場委員会(FOMC)定例会合で政策金利を年3.5〜3.75%に据え置いた。ただし、金利を決定する投票権を持つ委員12人のうち3人が利上げを主張した。具体的には、ベス・ハメック・クリーブランド連邦準備銀行総裁、ニール・カシカリ・ミネアポリス連邦準備銀行総裁、ローリー・ローガン・ダラス連邦準備銀行総裁がこの日「金利を引き上げるべきだ」と述べた。

これはFRB内部で物価上昇(インフレ)への懸念が依然として根強いことを意味すると受け止められる。ケビン・ウォッシュFRB議長は定例会合後の記者会見で「必要かつ適切な状況になればちゅうちょなく行動する」と述べ、利上げに対するけん制を加えた。

ニューヨーク証券取引所。/聯合ニュース

FRBが利下げに踏み切るとの期待がしぼむと、市中金利は直ちに急騰した。グローバル金利の指標となる米10年債利回りはこの日0.06ポイント(6bp)急騰し、4.66%を上回った。住宅ローンなど各種長期金利に影響する30年債利回りは1日で0.1ポイント(10bp)上昇し、5.2%を突破した。これは世界金融危機直前の2007年以降で最高水準である。国債利回りが上がると企業の資金調達コストが増え、消費者の金利負担も重くなるため、株式市場には致命的な悪材料として作用する。

ウォール街の投資専門家はFRBの決定に冷ややかな反応を示した。ジェフリー・ガンドラック・ダブルライン・キャピタル最高経営責任者(CEO)は「インフレ率を目標の2%に下げるには、FRBが実際に金利を引き上げる必要がある」とし、「債券市場の投資家がウォッシュ議長に口先ではなく具体的行動を求め、金利を押し上げているところだ」と分析した。

中東地域の地政学的緊張も株急落をあおった。米軍がイランから奇襲攻撃を受けた後、ドナルド・トランプ米大統領が強硬対応を示唆し、国際原油価格はこの日急騰した。トランプ大統領はフォックスニュースのインタビューで「イランを強くたたく」と警告した。

戦争懸念が高まるなか、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は6%以上上昇し、1バレル=84.46ドルで取引を終えた。ブルームバーグ集計によると、原油は取引時間中に1バレル=85ドル台をうかがった。国際原油の急騰はガソリン価格だけでなく、工場稼働コストや物流費を押し上げ、経済全体の物価を刺激する。この場合、FRBが利下げに踏み切るのはいっそう難しくなる悪循環が生じる。

人工知能(AI)ブームをけん引していた半導体企業の株価もこの日一斉に大きな打撃を受けた。フィラデルフィア半導体株指数は5.3%急落し、5営業日連続の下落となった。半導体関連株を集めた商品であるiシェアーズ半導体上場投資信託(ETF)も5.5%下落した。

専門家は、AIの中核恩恵株と目されていたSKハイニックスの業績が市場予想に届かなかった点が、ハイテク株全般への悪材料として作用したと指摘した。モルガン・スタンレーがKLAなど半導体製造装置メーカーの業績について「失望的だ」と評価すると、他の半導体関連企業の株価も連れ安となった。企業がAIに投じる巨額の投資費用に比べ、実際に稼ぐ収益性について投資家が強い疑問を抱き始め、足元で半導体関連企業への投資心理は急速に冷え込んでいる。

もっとも、市場の一部では過度な恐怖を戒める声もある。ジム・カロン・モルガン・スタンレー投資運用部門の最高投資責任者(CIO)は「株式市場の長期トレンドは依然としてポジティブだ」とし、「FRBが市場を壊すほど急激に利上げすることはないだろう」と述べた。今回の株安が押し目買いの機会になり得るとの意味に解釈される。

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