グローバル決済企業のビザが、急変する決済産業の環境に対応するため、全従業員の約7%に当たる2600人を削減する。人工知能(AI)とステーブルコインの普及で決済市場が急速に再編されるなか、成長分野への投資を集中するための組織再編とみられる。
28日(現地時間)のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やブルームバーグによると、ライアン・マキナーニー最高経営責任者(CEO)が社員向けの社内メモでこのような人員削減計画を発表した。削減は全部門にわたって実施するが、テクノロジーとプロダクトの組織に最も大きな影響が及ぶとされる。
マキナーニーCEOは「今後の機会を捉え、ビザが産業転換を主導できる位置を維持するために、働き方を継続的に進化させなければならない」と述べ、「決済産業は一生に一度あるかどうかの転換点を迎えており、AIがこうした変化を一段と加速させている」と明らかにした。
また、会社全体の効率性を高め、成長可能性が大きい事業に再投資する方針も示した。
ビザは四半期決算の発表を前に今回のリストラ計画を公表した。昨会計年度末時点のビザの従業員数は約3万4100人で、10年前から3倍以上に増えている。
会社側は、今回の人員削減は単なるコスト削減にとどまらず、事業ポートフォリオ再編の一環だと説明した。削減で捻出した資金は、消費者向け決済と企業間(B2B)決済、資金移動ソリューション、国境間決済、ステーブルコイン基盤サービスなどの成長分野に再投資する計画である。
マキナーニーCEOは「過去数年の投資と戦略的選択を土台に、新たなコマースの時代に入っている」とし、「堅調な業績と顧客満足度、従業員のエンゲージメントを基盤に、次の成長局面を準備する」と語った。
ビザとともにグローバルなカード決済市場を二分するマスターカードも年初に全従業員の約4%を削減すると発表するなど、決済業界全体で組織の効率化が続いている。
一方、業界ではステーブルコインの普及が既存のカード決済体制に変化をもたらす可能性が高まっているとの分析が出ている。ビザは最近、ステーブルコインの決済・清算プログラムを拡大しており、マスターカードはステーブルコインのインフラ企業BVNKの買収を発表するなど、関連事業の強化を加速している。