米国の物価が高騰し、低価格の中国ブランドが若年層の消費者の間で人気を得ている。玩具やコーヒー、アイスクリームはもちろん、日本企業が押さえてきた寿司と緑茶の市場でも中国企業が影響力を広げている。
28日(現地時間)の日本経済新聞(ニッケイ)によると、中国玩具企業ポップマートは米国ニューヨークのマンハッタン5番街に大型店舗を出店する予定である。ポップマートは世界的な人気を集めたキャラクター「ラブブ」を販売する会社だ。新店舗の場所はオーストリアの宝飾ブランド、スワロフスキーのすぐ隣である。
ポップマートは2023年に米国で初出店した後、現在は現地で70店を超える店舗を運営している。これまで郊外を中心に出店を増やしてきたが、今後は5番街やタイムズスクエアなどニューヨーク中心部の攻略に乗り出す計画だ。ポップマートの昨年の北米・中南米売上高は前年の7倍以上となる68億1000万元(約1兆3000億ウォン)を記録した。
イタリアのSDAボッコーニ経営大学院の講師、ロラ・パンは「タイムズスクエアは視認性が高く人通りが多い」と述べ、「ポップマートが店舗を知らせ、消費者の衝動買いを引き出すのに適した場所だ」と説明した。
中国ブランドが米国で成長する理由は、長期にわたる物価上昇にある。米国の6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.5%上昇した。特に若年層の消費者は、価格に対する品質が良ければどの国で作られた製品かを大きく問わない傾向を示しているとニッケイは伝えた。
かつて中国企業は工場で製品を生産し、海外企業に供給することに注力していた。だが最近は自社ブランドを前面に出し、世界最大の消費市場である米国で直接消費者を攻略している。
中国の低価格コーヒーブランド、ルイシンコーヒーもニューヨークで急速に店舗を増やしている。ルイシンコーヒーのアイスラテ価格は約2ドルから始まる。ニューヨークで働くウィニー・タンはニッケイに「スターバックスは高すぎる」と述べ、「ルイシンコーヒーははるかに安く、サービスも速い」と語った。
ルイシンコーヒーの店舗は大半が座席を設けず、注文した飲料を受け取る形で運営される。昨年夏にニューヨークへ初進出して以降、現在は約20店が開業した。特にスターバックスが閉店した跡地に出店し、初期費用を抑えている。
中国のアイスクリーム・飲料チェーン、ミシュエビンチョンも米国で10店を超える店舗を運営している。アイスクリームと飲料の価格が1∼2ドルから始まり、若年層の関心を引いている。
中国企業は、これまで日本が強みを持ってきた飲食市場にも進出している。米国ではこれまで、料理人が客のためにメニューを組む、いわゆる日本式「おまかせ」が人気を集めてきた。料理人と直接対話し特別な食事を楽しめるため、1人当たり200∼500ドルに達しても客が押し寄せた。
しかし最近、ニューヨークでは中国系料理人が運営する低価格の「おまかせ」店が増えている。こうした店は100ドルを超えない価格で寿司のコース料理を提供する。運営者の中に中国のフージョウ出身が多く、フージョウとおまかせを合わせた「フマカセ」という言葉まで登場した。
緑茶市場でも中国産製品のシェアが高まっている。日本・静岡県の緑茶販売会社ヤマエイの山崎春郷社長は「米国の個人カフェなどへ取引先を広げているが、生産量を速やかに増やすのは難しい」と述べ、「中国製品に市場を奪われている」と語った。