インド政府が高カフェイン飲料に「エナジードリンク(Energy Drink)」という名称を使用できないよう規制に乗り出した。グローバル飲料各社はブランド価値の毀損と消費者の混乱を理由に規制施行の延期を求めたが、インド当局は方針を維持することにした。
27日(現地時間)ロイターによると、インド食品安全基準庁(FSSAI)は高カフェイン炭酸飲料の製造業者に対し、今後90日以内に製品包装と広告から「エナジードリンク」の表現を削除するよう通知した。インドの食品規定上、別個の製品分類や基準がなく「エナジードリンク」という名称の使用が消費者を誤認させる可能性があるというのがFSSAIの判断である。「身体と精神に活力を与える」や「全般的な衰弱に役立つ」といった表現も科学的根拠が不足する文言とみなした。誤解を招くおそれがあるということだ。
これに対し規制対象企業は施行の延期を求めたが受け入れられなかった。ロイターが入手した6日付の書簡によると、ペプシコ(PepsiCo)とレッドブル(Red Bull)、モンスター・ビバレッジ(Monster Beverage)、リライアンス・コンシューマー・プロダクツ(Reliance Consumer Products、以下リライアンス)、ヘルエナジー(Hell Energy)は「エナジードリンク」名称の使用を禁じればブランド価値が毀損され営業に支障が生じ得ると主張した。特に消費者が同一製品を別種の飲料と誤認する可能性があるというのが各社の立場だ。
業界では一律の名称禁止ではなく、製品別のリスクを考慮した段階的規制の適用を求める声も上がった。だがラジト・プンハニFSSAI最高経営責任者(CEO)は非公開会合でこうした要求を受け入れなかったと伝えられている。インド政府は企業が最終的に規定に従うことにしたと明らかにしたが、一部の飲料企業は法的対応も検討中とされる。
現地の取り締まりは既に始まっている。インド北西部ラジャスタン州当局はペプシコのスティングとリライアンスのカンパ・エナジー、レッドブル製品などを押収した。アマゾンとフリップカート、ブリンクイット、インスタマートなどのEコマース(電子商取引)・配達プラットフォームにも関連製品の表示を修正するよう公文書を送付した。
インドのエナジードリンク市場は急速に成長している市場とみなされる。市場調査会社ユーロモニターによると、インドのエナジードリンク市場は2028年に16億ドル(ハンファ約2兆3450億ウォン)規模に達する見通しだ。年平均成長率も12.6%で米国・中国より高い。グローバル飲料各社が激しく競う中核市場であるだけに、インドのエナジードリンク市場は今回の規制で製品表示とマーケティング戦略に影響を受けるとみられる。
高カフェイン飲料の規制はインド以外でも世界的に拡大する雰囲気だ。米国はカフェイン含有量と成分表示、虚偽・誇大広告を規制している。欧州連合(EU)はカフェイン含有量が高い製品に「高カフェイン含有(High caffeine content)」という警告文言の表示を義務付けている。英国は来年4月から16歳未満の青少年への高カフェインエナジードリンクの販売を禁じる予定で、パキスタンの一部地域では当該製品を「刺激性飲料(stimulant drinks)」と表示するよう定めている。