カシムジョマルト・トカエフ・カザフスタン大統領がウラジーミル・プーチン・ロシア大統領の面前でウクライナ戦争の停止を促した。カザフスタンの中核的な原油輸出路である黒海が相次ぐドローン攻撃で封鎖され甚大な経済的打撃が発生したことから、事態打開のために異例に声を強めたとみられる。
27日、ロシアのタス通信など主要メディアの報道を総合すると、トカエフ大統領は25日、ロシア・シベリア南西部のオムスクでプーチン大統領と会い、ウクライナ戦争の終結と「イスタンブール・フォーミュラ2.0」への復帰を公式に提案した。イスタンブール・フォーミュラ2.0は、戦争初期だった2022年と昨年7月にトルコのイスタンブールで開かれた和平会談を土台にした交渉テーブルを設けようという構想である。主に前線での敵対行為を止め、捕虜交換と合意フレームワークの構築といった既存のトルコ仲介案を復活させようという内容を含む。トカエフ大統領は「この紛争はすでに止まっていなければならない」と述べ、「われわれはイスタンブール・フォーミュラ2.0に戻らなければならない」と語った。
トカエフ大統領はロシアのウクライナ侵攻を内戦ではなく国家間の紛争と規定し、「ウクライナ民族とその文化および言語を尊重する」という異例の発言を示した。続けて、カザフスタンが欧州と米国からロシアとウクライナの間を仲裁してほしいという役割を打診されたが、「ロシアは仲裁国がなくても自ら問題を解決する能力がある」と述べた。
トカエフ大統領が異例に直言した背景には、黒海ノヴォロシースク港のカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)ターミナルの運営停止がある。このパイプラインはカザフスタン全体の原油輸出の80%以上を占める中核ルートだ。ところが最近、この一帯で相次ぐドローン攻撃が発生し、CPCは21日からカザフスタン産原油の受け入れを全面停止した。輸出の8割を占めるルートが麻痺すると、翌22日からカザフスタンの原油とガス・コンデンセートの生産量は21%急減した。カザフスタン最大油田であるテンギス油田の生産量も平均比で56%急落した。
しかしロシアはこうした提案を即座に退けた。ドミトリー・ペスコフ・クレムリン報道官は、ウクライナの現在の立場を考慮すると「休戦は本質的に不可能だ」とし、「われわれは核心的な前提条件を持っており、必ず目標を達成しなければならない」と述べた。ロシアはウクライナの全面的な兵力撤収と北大西洋条約機構(NATO)加盟の放棄を終戦条件として掲げ、後退していない。