医科大学入学試験の問題用紙流出疑惑をきっかけに噴出したインドZ世代の怒りが全国的な反政府デモに拡大し、ナレンドラ・モディ政権の政治的負担が増している。

23日、現地時間でインドのムンバイで、デモ隊がスローガンを叫んだ。彼らは医科大学入学試験(NEET)の不正疑惑を巡り、ダルメンドラ・プラダン教育相の辞任を求めている。/ AFP=連合

主要海外メディアによると20日(現地時間)、インド警察は警棒や催涙弾などを投入し、医科大学入学試験の問題流出事態に抗議して街頭に出た若いデモ隊を強硬鎮圧した。だがデモはなかなか沈静化しない。23日にも首都ニューデリーでは数千人のデモ隊が街頭にあふれ出た。

AP通信は「警察の強硬鎮圧がかえって大衆の怒りを増幅させた」とし、「政府閣僚がデモ隊代表らと会い公開の場で意思疎通を試みたが、緊張を緩和することに失敗した」と伝えた。ニューヨーク・タイムズ(NYT)も「警察の武力鎮圧以後、デモ隊の怒りはいっそう激しくなり、反発がインド政府全体に向かう様相へと広がっている」と報じた。

事態の発端は医科大学入学試験の問題用紙流出疑惑である。5月に医科大学入学試験(NEET)の解答が事前に流出していた事実が明らかになると、国家試験を統括するダルメーンドラ・プラダン教育相は再試験の実施方針を示した。

若年失業率が深刻なインドでは医科大学は工科大学と並び代表的な社会的上昇の通路とみなされる。こうした状況で国家が主催する入学試験まで不正と不備の論争に包まれると、若年層の不満は爆発した。さらにリヤ・カントインド最高裁判事が先月15日、失業中の若者に向けて「ゴキブリのような若者がいる」とし「職を得られないからといってシステムばかり攻撃する」と発言した事実まで知られ、世論はいっそう悪化した。

結局、こうした怒りは政治的な動きへつながった。インドのカースト最下層であるダリット出身のアビジート・ディプケはソーシャルメディア(SNS)に「すべてのゴキブリが一つに集まったらどうだろうか?」という投稿を行い、数百万人が呼応した。アビジート・ディプケはすぐに「ゴキブリ国民党(Cockroach Janta Party・CJP)」を結成してデモを主導した。

デモが急速に拡大した背景には、インドの若年層に蓄積された経済的不満があるとの分析が出ている。インド経済はここ数年、年6〜7%台の堅調な成長率を記録したが、若者が体感する雇用情勢は依然として劣悪だ。インドのアジム・プレムジ大学の資料によると、大卒若年失業率は40%に迫る。

反政府デモはいまや学生を越え、専門職従事者や多様な階層へと広がっている。インド各地の支持者はフードデリバリーアプリで料理を注文し、デモ現場にいる誰とでも分け合ってほしいという要請を添えて連帯の意思を示している。既存の政党組織ではなく、一般市民がSNSを通じて自発的に意思疎通し組織化することで、デモの原動力もさらに大きくなっている。

なかなか沈静化しないデモは、今年3選に成功したモディ首相にとっても相当な政治的負担となっている。とりわけ若年層はインド最大の有権者層であるだけに、今後の選挙でこの層の票心は重要な変数になる見通しだ。NYTによると、ムンバイやベンガルール、アーメダバードなど他の都市でもデモが続き、モディ政権が短期間で受け入れにくい要求まで噴出している。

デリーに本部を置くシンクタンク、政策研究センター(CPR)の研究員ラフル・ベルマはBBCのインタビューで「今回のデモは、イデオロギーや政策を巡る既存のデモと異なり、モディ首相のインド人民党(BJP)の統治能力そのものに疑問を投げかけている」と評価した。

デモが長期化の兆しを見せると、モディ首相も火消しに乗り出した。モディ首相は23日、SNSを通じ「試験問題流出事件の関係者を厳罰に処するため特別法廷を設置する」とし、「若者の未来を損なう者は決して許されない」と明らかにした。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)は「インド人民党(BJP)は伝統的に教育機会を重視する中産階級家庭の強い支持を受けてきた」とし、「今回の事態はモディ首相にとって予期せぬ政治的な試練となっている」と評価した。

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