米国とイランの衝突が再び激化しているが、米国とともに今回の戦争を始めたイスラエルはむしろ小康局面に入った雰囲気だ。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相/UPI=聯合

イランと戦争に関する了解覚書(MOU)を締結していた米国は、ホルムズ海峡で船舶被弾が相次ぐと、これに対する報復として11日(現地時間)からイラン空爆を再開した。イランも域内の米軍基地を報復攻撃し、米軍の死者が発生した。しかし2月28日に米国とともにイランを空爆したイスラエルは、今回の衝突では現在まで目立った動きを見せていない。

イスラエルがすでに対イラン攻撃の準備を終えている点を考慮すれば、このような静観は異例だ。先だって9日、イスラエルのヨアブ・ガラン트国防相は空軍操縦士修了式の演説で「イスラエル軍はイランに対する軍事作戦再開に向けて警戒態勢を維持し、万全の準備を整えている」と述べ、「イスラエル軍は制空権(air superiority)を回復し脅威を除去するために必要であれば3回目の空爆を断行する用意ができている」と語った。

イスラエルがイランとの全面戦を自制している背景には、米国と湾岸諸国の関与があったとの分析が出ている。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は21日、事情に詳しい関係者を引用し「ワシントンはイスラエルに当面は戦闘に関与しないよう要請した」とし、「ペルシャ湾のアラブ諸国もイスラエルがイラン空爆を再開しないよう米国に対しロビー活動を行っている」と報じた。

周辺の湾岸諸国は、イスラエルが最近の米国とイランの衝突に介入した場合、イランが自国のエネルギー基盤施設まで攻撃する可能性を懸念している。実際にイランは最近の米国との衝突過程で、クウェートの米軍基地だけでなく、空港や石油インフラ、電力・淡水化施設などを攻撃した。

域内の仲介国もイスラエルの介入をいさめている。WSJによれば、これらの国々は、イスラエルが介入すれば、イランの意思決定を事実上左右する準軍事組織イスラム革命防衛隊(IRGC)が和平交渉に復帰することがさらに難しくなると主張した。キングス・カレッジ・ロンドン安全保障学部のアンドレアス・クリグ上級講師は「現時点ではかなり限定的な水準の緊張の高まりであり、すべての当事者が交渉のテーブルに戻る道があることを理解している」と述べ、「ここにイスラエルまで巻き込めば状況は本当に混乱しかねない」と語った。

ワシントンのシンクタンクであるニューラインズ戦略政策研究所のエリザベス・ツルコフ非常勤上級研究員は「トランプ政権内では、イスラエルを制御しにくい不確定要素とみる認識がある」とし、「現在の基調はエスカレーション回避であり、この状況で制御しにくいアクターが介入すれば、状況に対する統制力を失う」と述べた。

またイスラエルの慎重姿勢は、イランが経済的に圧迫を受けるのを待つシグナルと解釈されることもある。CNNなどによれば、イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相はこの日、安全保障会議で「今回の作戦でわれわれの最優先目標はイラン政権の存立基盤を揺るがし弱体化させることだ」とし、「そのための最善の方法はイランを経済的に崩壊させることだ」と述べた。続けて「現在の状況はわれわれに有利に働いている。われわれが無理に割って入る理由はないが、あらゆるシナリオに備えている」と付け加えた。

ただしイスラエルがいつでもイランとの全面戦に踏み切る可能性は依然として残っている。2年以上にわたりイスラエルと武力衝突を続けてきたイエメンの親イラン武装勢力フーシ派は紅海封鎖を脅している。ここにトランプ大統領が現在の膠着状態を終わらせるため、より大規模な攻撃や作戦を推進する場合、イスラエルの支援が必要になる可能性もある。

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