中国の太陽光発電事業者が先進国から新興国へと輸出市場の重心を移している。米国の高関税と迂回輸出遮断措置で先進国市場への進出が難しくなる中、新たな成長軸として東南アジアとアフリカの攻略に乗り出したためである。

中国北西部の青海省デリンハにある太陽光発電の蓄電・水素製造プロジェクト共同団地の太陽光パネルの様子。写真は記事内容と関係ありません。/ロイター・聯合ニュース

20日(現地時間)ロイターによると、先月基準で中国の太陽光セル・モジュール輸出量は前年同期比で東南アジア・南アジア、アフリカを中心に増加した。地域別に見ると、東南アジア(ベトナム・タイ・マレーシアなど)への輸出量は12万5402トン(t)で前年同月比33%増となった。同期間のアフリカ向け輸出量は10万3277tで26%増加し、南アジア(インド・バングラデシュ・パキスタンなど)は12%増の11万4643tを記録した。

一方、最大の輸出市場である欧州向けの輸出量は37万481tで前年同期比18%減少した。同期間に中東と中南米はそれぞれ38%、20%減の9万6224t、7万7548tとなった。

中国は世界最大の太陽光セル・モジュール生産国とされる。しかし足元で中国の太陽光セル・モジュール全体の輸出は減少傾向だ。先月の中国の太陽光セル・モジュール輸出量は98万tで前年同期比9%減少した。同期間の輸出数量(個数ベース)は7億4320万個で16.5%減少した。4月1日から太陽光製品に対する付加価値税(VAT)の輸出還付が廃止された後、中国の太陽光セル・モジュール輸出は2カ月連続で減少傾向を続けている。

こうした状況下で中国企業は価格競争力を前面に出し、東南アジア・南アジア・アフリカなど新興国でのシェア拡大に注力する雰囲気だ。東南アジアと南アジアは電力需要の増加と再生可能エネルギー拡大政策を進めている。アフリカでも電力インフラ拡充と太陽光プロジェクトの拡大に伴い、中国製太陽光製品の需要が増えている。

とりわけ米国の対中太陽光規制強化の動きも、中国企業の輸出戦略に影響を及ぼしたとみられる。米国は中国企業がマレーシア・タイ・ベトナム・カンボジアなど東南アジアの生産拠点を活用し、迂回輸出で関税を回避しているとみて、高率の反ダンピング・相殺関税を課した。また最近は中国産太陽光のサプライチェーンにも規制を強化している。

米国の規制は中国の太陽光産業の輸出を萎縮させるより、むしろ輸出市場の多角化を加速させる契機になっているとの分析が出ている。電力需要の増加と再生可能エネルギーの普及拡大が重なり、新興国を中心に中国製太陽光製品の需要が伸びた分、中国企業が米国・欧州の代わりに東南アジア・南アジア・アフリカなど新興国の比重を高め、世界の太陽光サプライチェーンと市場地図が再編される見通しだ。

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