最近、イランがヨルダンへの攻勢を強めている。戦争初期には米軍基地を保有する他の湾岸諸国もイランのドローン・ミサイル攻撃の対象だったが、最近では攻撃の焦点がヨルダンへ移る様相だ。
18日(現地時間)、対イラン軍事作戦を総括する米中央軍(CENTCOM)は「17日、イランの弾道ミサイルとドローン攻撃を防御する過程で、ヨルダンに駐留する米軍2人が死亡し1人が行方不明になった」と明らかにした。攻撃を受けた場所は公表されていないが、ヨルダンの首都アンマンから北東へ約100㎞離れたムワファク・サルティ空軍基地と推定される。
19日、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、イランは先週だけでヨルダン駐留米軍を狙い4回の攻撃を敢行した。1回目の攻撃はヨルダン南部マアン州のキング・ファイサル空軍基地内の居住施設を直撃し、米軍5人が負傷した。2回目の攻撃はヨルダン東部のブラックホークヘリ運用基地を標的とし、複数のヘリが損傷した。3回目の攻撃はアンマン北東のアズラクにあるムワファク・サルティ空軍基地を狙い、米軍約20人が負傷し、イランは17日に同じ基地を再び攻撃して最終的に米軍2人が死亡した。
イランがヨルダンへの攻勢を強化するのは、中東の他の米軍駐留国よりも、ヨルダンが米国の軍事作戦で占める比重が一段と大きくなっているためだ。米国とヨルダンは長年、軍事・情報・対テロ分野で協力しており、ヨルダンには米国の主要空軍基地が所在する。最近公表された米議会報告書によると、ヨルダンには米軍約4000人が駐留中である。
さらに米国とヨルダンは2021年に防衛協力協定(DCA)を締結し、米軍がヨルダン内の複数の軍事施設を自由に使用できるようにした。サウジアラビアが自国の領空および米軍基地の使用を認めないと表明するなど、湾岸地域の他の米国同盟国が米軍駐留と領空使用を制限する状況下で、軍事アセットと兵力を運用するうえで制約がほとんどないヨルダンの戦略的価値は一段と高まっている。
米国とヨルダンの軍事協力はイランとの戦争以降、いっそう強化された。米当局者は、戦争準備の過程と初期段階で国防総省がバーレーンとアラブ首長国連邦(UAE)、カタールに駐留していた兵力の一部を、相対的に安全なヨルダンと隣国イスラエルへ再配置し、米国のヨルダン依存度がさらに高まったと説明した。
こうした流れの中で、両国の軍事協力も一段と緊密になっている。先にヨルダン国営ペトラ通信は、ユセフ・フナイティー・ヨルダン軍参謀総長とダニエル・ジマーマン米国防総省国際安保担当次官補が、両国間の軍事・防衛協力とパートナーシップ拡大の方策を協議したと報じた。
中東専門の米シンクタンク「ドーン(DAWN)」のイラン分析家オミド・メマリアンは、イランの報復攻撃により湾岸諸国が「米国が自国の軍事基地を対イラン攻撃に広範に使用することを認めることに、以前よりはるかに慎重になるだろう」としつつも、「ヨルダンは米国との安全保障協定、そして米国が優位に立つ二国間関係のため、米国の要求を拒みにくい立場だ」と述べた。
結局、イランの立場では米国の軍事作戦を支えるヨルダンが主要標的として浮上した格好だ。デイビッド・デプトゥラ米空軍予備役中将はNYTに「ヨルダンの地理的位置のおかげで、米国はシリアとイラクはもちろん中東全域で、より効率的な航空作戦を遂行できた」とし、「イランのヨルダン攻撃は単に基地を狙ったものではなく、米国が構築した域内連合を揺さぶり、各国が米軍を駐留させる政治的コストが安全保障上の利益より大きいと感じるようにさせる試みだ」と分析した。