ケビン・ウォッシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、高止まりする物価上昇を決して看過しないという強いタカ派(金融引き締め志向)の意思を示した。直近に公表された6月の物価指標が明確な減速を示したにもかかわらず、中央銀行のトップ自らが時期尚早な安心感を戒めて動いたとの評価が出ている。主要メディアは、投資家がこれをFRBが当面は政策金利の引き下げに極めて慎重に臨むという明確なシグナルと解釈し、緊張感を強めていると伝えた。

14日(現地時間)、ウォッシュ議長は米下院金融サービス委員会の公聴会に出席し、物価安定に対する断固たる立場を重ねて強調した。ウォッシュ議長は「委員会の構成員は、持続的に高水準を保つインフレを決して容認しない」とし、「物価安定を回復するという確固たる約束を共有している」と述べた。

ウォッシュ議長はとりわけ「インフレは選択だ」と断言し、2020年に導入された平均インフレ目標制など過去の金融政策を誤りだと位置付けた。続けて、過去5年間に物価上昇率が目標を上回った状況を「米国の国民と企業に課された不当な税金」とし、「全面的な政策刷新が必要だ」と述べた。

ケビン・ウォッシュ米連邦準備制度理事会議長が14日、ワシントンDCで開かれた下院金融サービス委員会の公聴会で発言している。/聯合ニュース

同日、米労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.5%上昇し、市場予想(3.8%)を下回った。食品とエネルギーを除くコアCPIの上昇率も、5月の2.9%から6月は2.6%へと減速した。しかしウォッシュ議長は、単一の指標だけで金融政策の行方を予断することはできないと線を引いた。ウォッシュ議長は「今朝のデータを見て『おお、任務完了。すべて素晴らしい』と言う人もいるだろうが、自分の見解は異なる」と一刀両断した。

ウォッシュ議長はこの日、ドナルド・トランプ米大統領が利下げを圧迫する状況のなかで、中央銀行の独立性を守るという信念もにじませた。議員からの「トランプ大統領のために働くのか」との問いに、ウォッシュ議長は「われわれ(FRB)は独立しており、独立していることを誇りに思う」と応じた。外部から圧力がかかったとしても「法律に従い、データに従う」として、原則を堅持する考えを明らかにした。

続いて、最近の経済状況を主導する核心要因は何かとの質問には「人工知能関連投資」を挙げた。ウォッシュ議長は「企業が人工知能の装置とソフトウエアを確保するためにデータセンターを建設し、大規模な資本を投じている」とし、「これは自分の成人期を通じて米国経済に現れた最も意味のある変化だ」と評価した。さらに「大規模投資が経済全体の生産性向上に結び付くまでには相当な時間がかかり得る」として、「毎月、そして毎四半期の状況を綿密に観察する」と付け加えた。

またウォッシュ議長はこの日、中央銀行システムを根本的に変えるための具体的な作業の進捗状況も公開した。FRBは、バランスシート縮小、大衆とのコミュニケーション手法の刷新、物価把握の方法など5分野を点検する特別タスクフォースを編成している。特別組織は、マーヴィン・キング英イングランド銀行(英中央銀行)元総裁のような外部有識者を招き、年末までにFRBの改革の方向性に関する結論を導き出す計画だ。

ウォッシュ議長は、利上げ・利下げの決定に先立ちFRBが先回りしてガイドラインを示す慣行も批判した。ウォッシュ議長は「今後、あらゆる経済指標を確認するまで、FRBが特定の金利経路を示唆する行動をやめる」と宣言した。市場の専門家はこれを根拠に、FRBは2週間後に開かれる政策会合はもとより、今後数カ月にわたり利下げに踏み切るのは難しいと見通した。

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