イラン戦争で世界の石油輸送量の約20%が通過するホルムズ海峡が再び封鎖され、国際原油価格が不安定な中で、中国の石油輸入量が今後の国際原油価格の急騰可否を左右するとの分析が出ている。

中国国旗/EPA=聯合

13日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「数十年にわたり石油市場は石油輸出国機構(OPEC)がどれだけの原油を生産するかに左右されてきたが、いまや世界最大の原油輸入国である中国が原油価格を左右する強大な影響力を示している」と報じた。

中国は世界最大の原油輸入国で、戦争初期には最大の打撃を受ける国とみなされた。とりわけ米国の制裁を受けるベネズエラとイラン産原油への依存度が高く、米軍の介入で主要な原油調達先が遮断されて供給混乱が避けられないとの見方が優勢だった。

しかし中国は戦争勃発後に自発的に原油輸入を大幅に減らした。米CNBCによると、2月だけでも日量1170万バレルに達していた原油輸入量は5月末までに日量900万バレル未満に減少した。戦争期間、中国の製油設備の稼働率が低下したうえ、戦争初期に石油製品の輸出を禁止した措置などが原油輸入減少に影響を与えたと分析される。

先にJPモルガンは、中国の原油輸入減少が世界全体の原油輸入減少分の約74%を占め、このような輸入縮小がイラン戦争が4カ月超続く間、原油価格を「驚くほど安定的」に維持することに寄与したと分析した。

これに加え、中国が保有する莫大な戦略備蓄油も緩衝の役割を果たしたと評価される。中国は世界最大規模の原油備蓄量を保有しているとされるうえ、石炭と再生可能エネルギー、電気自動車、高速鉄道など原油を代替できる手段が豊富だ。ワシントンに本部を置くシンクタンク、アトランティック・カウンシルの上級研究員ベン・ケイヒルは「中国は当面、原油輸入を増やすいかなる圧力も受けていない」と述べた。

一部では、中国が原油市場に及ぼす影響力が過去の石油輸出国機構(OPEC)に匹敵する水準にまで拡大したとの評価も出ている。ユーラシア・グループのグレゴリー・ブルー・アナリストは「現在、中国はサウジアラビアや米国よりも原油市場で大きな影響力を行使している」と分析した。

ただし、これは中国が国際原油価格の安定のために自発的に市場に影響力を行使した結果というより、イラン戦争による供給混乱に伴うやむを得ない対応だったとの分析が優勢だ。実際、欧州中央銀行(ECB)の報告書によれば、イランの海上原油輸出量の約80%を購入する中国の原油輸入が今年、8年ぶりの低水準に落ち込み、とりわけイラン産原油に大きく依存してきた山東省の民間独立系製油所の稼働率は9年ぶりの低水準である50%台に低下し、これは石油化学をはじめとする製造業全般に否定的な影響を及ぼしたと分析された。

また、中国の輸入減少だけで足元の原油価格の安定基調をすべて説明することはできないとの指摘もある。専門家は供給面でも複数の緩衝装置が同時に作動したとみている。

イラン戦争が続く中でも、湾岸産油国はアラブ首長国連邦のフジャイラ送油管とサウジアラビアの東西送油管などホルムズ海峡を迂回する輸送網を活用して原油輸出を継続している。国際エネルギー機関(IEA)は、こうした迂回パイプラインを通じて日量約350万〜550万バレルの原油が供給され得ると試算した。

また、英国の海運専門誌ロイズ・リスト(Lloyd's List)によると、アブダビ国営石油会社(ADNOC)やクウェート石油公社(KPC)などが運用する、いわゆる「ハイリスク・シャトル・サービス(high-risk shuttle service)」も国際原油価格の急騰を抑えた要因の一つに挙げられる。これは湾岸地域の原油輸出の呼び水となる役割を果たしている。ハイリスク・シャトル・サービスとは、一部の油槽船がペルシャ湾内側で原油を積み、ホルムズ海峡の危険を甘受して通過した後、オマーン湾(Gulf of Oman)で他の油槽船に船舶間積み替え(STS)を行い、再び湾岸内側に戻って原油を積む過程を繰り返す方式である。危険区間は一部限定された船舶のみが運航し、一般の油槽船はホルムズ海峡の外側で原油の受け渡しを受けてアジアなど最終目的地へ輸送する。この方式だけで世界の原油需要をすべて満たすことはできないが、全面的な供給混乱を防ぎ、原油の流れを維持するうえで相当な役割を果たしたとの評価が出ている。

一方、IEAは中東の戦争でホルムズ海峡を通じた原油輸送に支障が生じたものの、米国とカナダ、ブラジル、ガイアナ、アルゼンチンなど非OPECプラス産油国の増産が供給ショックを相当程度吸収したと分析した。とりわけ米国のシェールオイルとカナダのオイルサンド、ブラジルの深海油田、ガイアナの海上油田を中心に生産量が増加し、中東産原油の供給減少分を一部相殺したことが示された。

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