英国が認知症の新薬開発を前倒しするため、全国規模の認知症臨床試験登録プラットフォームの構築に乗り出した。全国に点在する認知症研究データを一つにつなぎ臨床試験の参加を拡大し、これを基にライフサイエンスへの投資と研究・開発(R&D)の競争力を高める戦略である。

イラスト=ChatGPT

12日(現地時間)のフィナンシャル・タイムズ(FT)によると、英国政府と慈善財団、製薬業界は、認知症患者と認知症リスク群のための全国規模の仮想登録プラットフォーム「BARBARA(Brain Ageing Registry for Biomarkers, Access to Trials, Research and Adoption)」を発足させた。このプラットフォームの構築には、英国政府と慈善財団、製薬業界が共同で資金を支援する。

BARBARAは180の既存の認知症研究データベースと人口健康研究を連携したプラットフォームで、臨床試験の参加者を効率的に見つけられるよう設計された。これにより製薬企業は適切な臨床試験対象者を迅速に確保でき、認知症患者や高リスク群の患者も自分に合った研究に参加できる。BARBARAプロジェクト推進委員長であるジェームズ・ベセル前英国保健社会福祉省イノベーション担当大臣は「BARBARAは治療薬を試験しようとする企業のための世界最高水準の認知症データ登録システムになる」と述べた。

現在、世界ではアルツハイマー治療薬158種が192件の臨床試験を通じて開発されている。アルツハイマー治療薬以外の新薬候補物質も開発中である。業界では、適切な臨床試験参加者の確保が難しい点が認知症新薬開発の最大の障害の一つに挙げられる。ベセル前大臣は、2024〜2025年にイングランドで商業目的の後期アルツハイマー臨床試験に参加した患者は173人にとどまったと説明した。

こうした状況下で、BARBARAは全国の研究データを統合し、臨床試験対象者を事前に選別して募集期間を短縮することに焦点を当てた。プロジェクト推進側は、血液バイオマーカー(疾患を診断する生体指標)を活用した早期診断技術とプラットフォームを連携させれば、症状が現れる前段階の高リスク群の患者まで臨床試験に参加でき、新薬開発のスピードを高めるとみている。遺伝子解析を活用した精密認知症治療薬の開発にも資するとの見方である。

とりわけ今回のプロジェクト推進側は、BARBARAが認知症新薬開発にとどまらず、グローバル製薬企業の臨床試験と研究開発(R&D)投資を誘致する基盤になると期待している。最近、英国国立医療技術評価機構(NICE)がアルツハイマー治療薬「レカネマブ」と「ドナネマブ」について費用対効果が十分でないと評価した後、萎縮したライフサイエンス投資環境を改善する契機になるとの判断である。

米国製薬企業ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(Bristol Myers Squibb・BMS)のサリー・ジョン情報学・予測科学担当上級副社長は「BARBARAはアルツハイマー研究がより良い問いを立て、支援を必要とする患者のための研究を前倒しすることに寄与する」とし、「人工知能(AI)と機械学習で分析できる独自のデータセットを構築することになるだろう」と述べた。

今回のプラットフォーム構築に投入される具体的な投資規模は年内に発表される予定である。英国は今回のプラットフォームを通じて認知症新薬開発を加速すると同時に、グローバルな臨床試験とライフサイエンス投資を誘致する拠点として育成する構想だ。

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