イラン戦争で原油価格が上昇し、米国の大手石油企業が過去最高水準の業績を上げる見通しとなるなか、石油企業の「価格暴利」を批判してきたドナルド・トランプ米国大統領と業界の対立が深まる見通しだ。
9日(現地時間)の英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、エクソンモービルとシェブロンの今年第2四半期の純利益はそれぞれ150億ドル(約23兆ウォン)と97億ドル(約15兆ウォン)に達する見通しである。前四半期比で3倍以上の増加であり、原油とディーゼル、航空燃料の価格上昇に伴う戦時特需の影響とみられる。
市場予想を集計するファクトセットは、米国の製油企業マラソン・ペトロリウムがロシアのウクライナ全面侵攻で世界的なインフレが引き起こされた2022年以降で最高の業績を記録すると推定した。別の製油企業バレロも好業績を発表する見通しだ。
石油企業のこうした好業績はトランプ大統領の神経を逆なでする可能性が高い。11月の中間選挙を前に物価に敏感にならざるを得ないトランプ大統領は、最近、石油企業が暴利を貪っていると批判してきた。
トランプ大統領は先月ソーシャルメディア(SNS)トゥルース・ソーシャルに「大手石油会社が原油をはるかに安く仕入れているのに、ガソリンスタンドの価格はそれほど下がっていない」とし、「結局、消費者が企業の価格暴利の被害を受けているということだ。司法省に直ちにこの問題を精査するよう指示した」と明らかにした。
イラン戦争の長期化で、米国内の小売ガソリン価格は大きく上昇している。自動車団体AAAによると、米国のガソリン平均価格は1年前より約25%上昇した1ガロン当たり3.8ドル、ディーゼル価格は30%上昇した1ガロン当たり4.8ドルを記録した。
しかし石油業界の業績改善は、トランプ政権が引き起こしたイラン戦争の影響が大きい。イランが米国とイスラエルの空爆に反発してホルムズ海峡を事実上封鎖し、歴史上最大級の石油供給混乱の一つが発生したためである。世界需要の約20%を占める湾岸地域の輸出が停止し、燃料価格は急騰した。
エネルギー調査会社クリアビュー・エナジー・パートナーズのケビン・ブックは「投資家は利益を得るだろうが、政府は赤字を見るだろう」と述べ、「政権は選挙を前にして何らかの形で燃料価格の引き下げを切実に望んでいるが、価格上昇の原因はエネルギー業界ではなく戦争だ」と語った。
イランと米国の交渉が不安定になるなか、原油価格は当面高水準を維持する見通しだ。米国とイランは最近、ホルムズ海峡の統制権をめぐり武力の応酬を続け、この影響で1日30〜50隻水準まで回復していたホルムズ海峡の船舶通行量は再び10隻台水準に落ち込んだ。この日CNNによると、船舶追跡サイトのマリントラフィックは過去24時間に少なくとも13隻の商船がホルムズ海峡を通過したと集計した。
FTは専門家の見解を引用し「ホルムズ海峡をめぐる不確実性が続く限り、燃料価格は高止まりすると予想される」とし、「湾岸地域の原油供給量が増えたとしても、原油が精製油市場に流入してガソリンやディーゼルなどの燃料価格を押し下げるまでには時間がかかるだろう」と伝えた。