米ビッグテックのMeta(メタ)が20億ドル(約3兆ウォン)を投じて買収しようとしていた中国系人工知能(AI)スタートアップのマヌスを、中国のテンセントが買い取った。米企業が先端技術を吸収する事態を懸念した中国政府が国家安全保障を理由に歯止めをかけ、国内の巨大テック企業を前面に立てて経営権を防衛した格好である。

10日フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、テンセントはマヌスの持ち株を買い取り筆頭株主に浮上するための交渉を進めている。先立ってMeta(メタ)は昨年12月にマヌスを20億ドルで買収し、統合作業を進めていた。しかし中国国家発展改革委員会(NDRC)が技術流出と国家安全保障を問題視し、Meta(メタ)に買収無効化を命じた。これを受けテンセントは既存投資家のジェンファンド(ZhenFund)、HSGなどとともに、Meta(メタ)が結んでいたのと同じ企業価値20億ドルでマヌスを買い戻すことにした。米ベンチャーキャピタルのベンチマークなど既存の米国側投資家は今回の取引から外れる見通しだ。

米ビッグテックのMeta(メタ)のロゴとManus AIエージェントアプリ。/聯合ニュース

今回の取引は、グローバルなAI主導権を巡る米中間の激しい覇権争いを示す決定的場面と解釈される。マヌスは、人手の助けなく複雑な作業を自律的に遂行する自律型AIエージェント技術で頭角を現した企業である。Meta(メタ)は買収直後にマヌスの人員をシンガポールに移し、迅速に技術吸収に乗り出した。だが中国当局が前例のない買収無効化措置を下したことで、Meta(メタ)はマヌスの内部システムへのアクセスを全面遮断し、社員を撤収させるなど、痛みを伴う分離作業を進めた。

専門家は、この事件が国境を越える技術のM&A市場に新たな障壁が築かれたことを意味すると分析する。米コンサルティング企業アジア・グループ所属のハン・シエン・リン中国責任者は「中国政府は中国のAI人材と技術を米企業に決して売れないという明確で赤いラインを引いた」と診断した。マティアス・ヘンドリックスグローバルAI企業顧問も「中国系AIは今やいかに巧妙な取引スキームを組んだとしても、避けられない『巻き戻しリスク(後戻りリスク)』を抱えることになった」と評価した。

米中が繰り広げるAI技術の締め付けは今後いっそう激化する見通しだ。米商務省は中国を念頭に先端AIモデルの輸出統制を強化する潮流にある。中国もまた、核心技術が米国へ流出する事態を源流で遮断し、対抗措置を講じている。先端技術の確保を巡る両国の対立が極限に達するなか、巨大テック企業が有望スタートアップを取り込み技術格差を縮めようとする動きにも相当な制約が予想される。

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