米国の食料品企業が消費者を店舗に呼び戻すため、一部の中核品目の価格を相次いで引き下げている。ただし食料品全体の価格は上昇が続く見通しで、家計の買い物負担が大きく軽減することはないとの分析が出ている。
米国最大の流通企業ウォルマートは6日(現地時間)、多数の人気商品の値下げを発表した。ウォルマートはひき肉の価格を12%引き下げ、サクランボの価格は半分に下げることにした。コカ・コーラ24缶パックの価格も約3分の1引き下げた9.97ドルで販売する。日用品や玩具、衣料など多様な商品の価格も併せて引き下げる予定である。
ドナルド・トランプ米国大統領はこれについてソーシャルメディアのトゥルースソーシャルに「良い知らせだ。米国で最も大きく最高の小売企業の一つであるウォルマートが、われわれの政権の要請に従い、米国建国250周年を記念して大幅な値下げに踏み切るとの報告を受けた」と投稿した。ただしウォルマートはプレスリリースでトランプ政権には言及しなかった。
企業が値下げに動いた理由は、消費マインドの萎縮が長期化しているためだとニューヨーク・タイムズ(NYT)が分析した。直近1年半の食料品価格上昇と食品支援プログラム(フードスタンプ)縮小、肥満治療薬の使用増加で食品の購入量が減少したうえ、イラン戦争の余波でガソリン価格まで上昇し、消費者の財布が薄くなった。
CNNが5月に実施した世論調査でも、米国人の61%が予算に合わせるために購入する食料品の種類を変えたと答えた。
食料品企業は今年に入り一部製品の価格を下げ、自社ブランド(PB)商品の拡大など、消費者を再び店舗に呼び戻す戦略を展開している。
高価格ゆえに「ホール・ペイチェック(Whole Paycheck)」というあだ名まで付いたホールフーズ・マーケットは、自社ブランド商品を拡大しながら値下げに踏み切った。会社側は「『365バイ・ホールフーズ・マーケット』を含め、900個を超える自社ブランド商品の価格を引き下げた」と明らかにした。
ペプシコは年初に販売数量拡大のため一部製品の価格を引き下げ、第2四半期の北米食品事業の平均販売価格が前年より2%下落したと明らかにした。会社は値下げが需要回復に役立ったと評価した。
コストコも5月に卵や牛肉、手羽、チョコレートアーモンドなどの価格を下げた。ゲリー・ミラーシップ最高財務責任者(CFO)は「価格を下げられる機会が見えれば、真っ先に引き下げることがわれわれの目標だ」と述べた。
ターゲット(Target)も昨年末に数千品目の食品価格を引き下げたのに続き、今年3月には小麦粉や缶詰、調味料など、いわゆる「パントリー必需品(pantry staples)」の価格を追加で下げると発表した経緯がある。
しかし一部品目の割引にもかかわらず、買い物かご全体の物価は簡単には下がらない見通しだ。米国農務省(USDA)は、今年の食料品全体の価格が平均3.2%上昇すると予想した。卵の価格は安定したが、牛肉と豚肉、家きん、新鮮な野菜・果物、ノンアルコール飲料などの価格は上昇すると見込んだ。
実際に金融サービス企業スティフェル(Stifel)によると、6月末までの直近4週間で61の食品群の価格は前年同期比3.4%上昇した一方、販売数量は2.1%減少したと集計された。