国際通貨基金(IMF)が今年の世界経済成長率見通しを引き下げた。人工知能(AI)への投資拡大が成長を下支えしているが、貿易摩擦と地政学的な不安が続くなか、世界経済の成長見通しを巡る不確実性が高まっているとの分析である.

米ワシントンDCの国際通貨基金(IMF)本部。/聯合ニュース

8日(現地時間)ロイター通信によると、IMFはこの日公表した世界経済見通し(WEO)改定報告書で、今年の世界経済成長率見通しを4月より0.1ポイント(p)低い3.0%と示した。また来年の世界経済成長率は3.4%と見通した。

IMFは、世界経済が予想より大きな衝撃なく持ちこたえているが、成長見通しを巡るリスク要因は依然として残っていると評価した。保護主義の拡大やサプライチェーン再編の動きが世界貿易と成長見通しに重荷として作用し得るとの分析である。

とりわけ中東地域を巡る米国・イランの軍事的緊張など地政学的対立に伴うエネルギー市場の不安も主要なリスク要因として挙げられる。IMFは、中東地域の緊張の高まりなど地政学的不安が深刻化する場合、エネルギー価格が上昇しサプライチェーンに支障が生じるだけでなく、金融市場のボラティリティ拡大などにつながり得ると警告した。国際原油価格が再び上昇すれば、鈍化していたインフレ圧力も強まり、各国中央銀行の物価安定の取り組みにも負担となり得るとの説明である。

このような状況下で、AI投資拡大の流れは世界経済の成長鈍化を一部緩和する要因と評価される。ただしIMFは、AI技術への期待が過度に高まる場合、資産価格の調整と金融市場のボラティリティ拡大につながり得ると指摘した。これは、AI投資の効果が実際の生産性向上に結びつかない場合、市場の期待と現実の間の乖離が拡大し得ることを意味する。

IMFは、世界経済の見通しを巡る不確実性は依然として大きいとみている。AIの普及が生産性向上に結びつく場合は成長率を押し上げ得るが、中東発の軍事的緊張や貿易摩擦、AI関連の資産価格調整の可能性が重なれば、世界経済の成長の流れを制約する要因として作用し得るとの見通しである。

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