ドナルド・トランプ米国大統領がカタールが寄贈した新たな大統領専用機を初の海外歴訪に投入したが、帰路では突如として従来のエアフォースワン(Air Force One)に乗り換えたことが分かった。トランプ大統領は「昔の思い出のため」と説明したが、イランの暗殺脅威とカタール寄贈機をめぐる安全保障上の論争が重なったのではないかとの観測が出ている。

ドナルド・トランプ米大統領が8日(現地時間)、トルコのアンカラ国際空港で北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の日程を終え出国を前に、エアフォースワンが滑走路で待機している。/聯合ニュース

8日(現地時間)ロイター通信やガーディアンなど主要海外メディアによると、トランプ大統領はこの日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれたテュルキエから英国へ移動する際、最近改修を終えたカタール寄贈機ではなく従来のエアフォースワンを利用した。

カタール寄贈機は今回の歴訪で初めて海外飛行に投入された。当時NATO首脳会議は米国と対立を続けていたイランと国境を接するテュルキエで開かれた。中東の軍事的緊張が高まる時点で新専用機が初の海外飛行に投入されたことになる。

トランプ大統領は自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「トゥルースソーシャル」に「昔の思い出を呼び起こすため(for old time's sake)」従来のエアフォースワンに乗って英空軍ミルデンホール基地へ移動すると明らかにした。また新専用機が欧州内の2〜3カ所の大型米軍基地を訪問した後、米国に戻る予定だとし「本当に優れた飛行機なので、将兵が直接見られるようにするためだ」と述べた。

しかし予想外の機種変更に、イランの暗殺脅威を意識した決定ではないかとの疑問が提起された。実際この日トランプ大統領は「イランの暗殺脅威のために飛行機を替えたのか」という記者の質問に否定しなかった。トランプ大統領は「自分はイランの暗殺対象名簿の1位だ」とし「そのためかどうかは言えないが、率直に言って気にしていない」と語った。

カタール政府が寄贈した米大統領専用機が米メリーランド州のアンドルーズ統合基地で待機している。/聯合ニュース

今回の機種変更でカタール寄贈機をめぐる論争も改めて注目を集めている。カタール寄贈機は昨年カタール政府が米国に寄贈したボーイング747型で、防衛産業企業L3ハリス・テクノロジーズが大統領専用機として使用できるよう改修した。機体外観はトランプ大統領が選んだ赤・白・濃い青・金色の組み合わせで塗装した。

しかし民主党とセキュリティ専門家は、盗聴・傍受防止の通信装備やミサイル防衛システムなどを短期間で搭載する過程で、セキュリティ検証が十分に行われたのか疑問を提起してきた。米空軍はカタール寄贈機を早期に実戦配備するため、次世代大統領専用機に適用予定だった一部の改修作業を省略し、暫定運用型(interim version)として先に完成させた。この過程で改修費用は10億ドル(約1兆5000億ウォン)を超えたと推算される。

一方、カタール寄贈機はボーイングの次世代エアフォースワンの引き渡しが遅れているため暫定的に投入された航空機である。ボーイングは2018年に39億ドル(5兆8000億ウォン)規模の契約を結び、次世代大統領専用機2機を製造中だが、事業が遅延している状況だ。現在の日程どおりなら、トランプ大統領は2029年1月に任期が終わるまで米国製の次世代エアフォースワンの引き渡しを受けられない可能性が大きい。ボーイングの次世代エアフォースワン事業の費用は現在50億ドル(約7兆5000億ウォン)を超えたことが明らかになった。

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