ドナルド・トランプ米国大統領が北大西洋条約機構(NATO・ナトー)加盟国に向けて防衛費増額を重ねて圧迫するなか、欧州の同盟国はナトー防衛計画上必要な戦力補強に乗り出している。この動きの先頭に立つドイツは、米国製の核心兵器の共同生産を提案するなど、欧州内での武器調達の速度を上げる方策を推進している。単純な防衛費分担の議論を越え、武器の調達と生産・サプライチェーン強化へと安全保障協力の重心が移る雰囲気だ。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領が先月24日、ドイツ・ベルリンの首相府で開かれた欧州5カ国(E5)とNATO事務総長の会合開始前に、首相府のテラスに飾られた欧州連合(EU)のロゴを見つめる様子。写真は記事内容と関係なし。/AFP・聯合ニュース

2日(現地時間)フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、マシュー・ウィテカー・ナトー駐在米国大使は、加盟国が国内総生産(GDP)比5%水準の国防費目標を達成する場合、米国製武器の調達や防衛産業協力の拡大などで恩恵を受けられるという趣旨の見解を示した。ウィテカー大使は「より多く貢献する国家がより多くの利益を得ること(Those who do more will get more goodies)」と述べた。国防の貢献度が高い同盟国との協力強化を示唆したものだ。

トランプ大統領は昨年1月の再登板以降一貫して、欧州の同盟国が米国の安全保障に過度に依存しているとして防衛費の増額を求めてきた。最近では、米国がナトーに最も多くの費用を負担しているにもかかわらず、それに見合う役割と待遇を受けていないと主張し、同盟国の安全保障への貢献拡大を圧迫している。

こうした流れの中で欧州は防衛産業の能力強化を加速している。FTによると、ドイツ政府は米国側に、トマホーク巡航ミサイルとパトリオットPAC-3迎撃ミサイルなどをドイツで共同生産する案を提案した。米防衛企業の生産負担を和らげると同時に、欧州内での武器確保の速度を高めて安全保障の不確実性に対応する構想だ。

ドイツの今回の提案は、ロシアのウクライナ侵攻以降続く欧州の再軍備の流れとも軌を一にする。長距離打撃能力と防空体制の確保需要が拡大したうえ、中東情勢の不安で米国製武器の供給遅延への懸念まで高まる中、ドイツは米国製の核心兵器を欧州で共に生産し、サプライチェーンの安定性と調達の速度を高める考えだ。

欧州各国の再軍備の動きも続いている。ナトー防衛計画上必要な戦力を自前で補強しようとするものとみられる。ロイター通信は1日(現地時間)、複数の消息筋を引用し、欧州の同盟国が米国がナトー防衛計画で削減した戦闘機や無人機、空中給油機、海上哨戒機、駆逐艦など主要戦力の空白の大半を埋めたと伝えたと報じた。

ナトーの枠組みでの防衛産業投資も拡大する見通しだ。FTによると、マルク・リュッテ・ナトー事務総長は「来週の首脳会議で数百億ドル規模の新規防衛産業契約が発表される」と述べた。リュッテ事務総長は、欧州とカナダが米国の防衛企業に発注した注文規模がおよそ3,000億ドル(ハンファ約462兆ウォン)に達すると明らかにした。これは米国内で約19万5,000の雇用を支える規模だ。

ただし米国と欧州の利害が完全に一致するわけではない。米国は欧州連合(EU)が推進する防衛産業基金が、米国企業と非EU国家を排除する方向で運用される可能性を懸念する。一方、欧州は防衛産業の自立を進めながらも、核心的な兵器体系と技術では依然として米国への依存度が高い。

7〜8日に開かれるナトー首脳会議では、防衛費の増額だけでなく、米国製武器の調達と共同生産、防衛産業のサプライチェーン拡大などが主要議題として協議される見通しだ。

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