欧州連合(EU)が中国発の超低価格越境直送品に対する規制を強化した。米国が中国・香港発の少額輸入品に適用されていた少額免税制度を廃止し、日本も低価格の海外直購入に対する課税体制の見直しに動くなか、EUまで通関手数料を導入し、アリエクスプレス、テム、シーインなど中国系EC(電子商取引)プラットフォームの価格競争力が弱まるとの見方が出ている。
1日(現地時間)ロイター通信によると、EUはこの日から域外国から持ち込まれる150ユーロ(ウォン換算で約26万円)以下の電子商取引品に対し、品目ごとに3ユーロ(約5200ウォン)の手数料(暫定関税)を課すことにした。課税対象は航空便で消費者に直接配送される物品である。例えば衣料品だけが複数入っていれば3ユーロが課されるが、衣料品とおもちゃ、生活用品など異なる3種類の物品が1個の小包に入っている場合、合計9ユーロが課され得る。
今回課された手数料は、通関や安全性検査などの行政費用に充てる。ただし今回の手数料は、2028年にEUレベルの新たな関税システムが導入されるまで適用される過渡的措置に当たる。今後はEUの関税改革に伴い新たに整備される関税管理体制に従って運用される予定だ。
EUの今回の措置は、中国発の超低価格の越境直購入物量が急増したことを受けたとみられる。EU欧州委員会によると、昨年EUに流入した150ユーロ以下の電子商取引小包は約58億個と集計された。2022年の14億個から3年で約4倍以上に増えたことになる。EUはこれらの物品の相当数が中国のオンラインプラットフォームを通じて販売されているとみている。とりわけ急増した直購入物量で税関業務の負担が増し、規則を順守する欧州企業が価格競争で不利になったと判断したと解される。
EUに先立ち米国は中国産の超低価格直購入品に対する規制を強化した。米国は昨年5月、中国・香港発の800ドル(約124万円)以下の少額輸入品に適用されていた「デミニミス(De Minimis)」免税制度を廃止した。同年8月29日からはすべての国から入る少額輸入品を対象に適用範囲も拡大した。
日本も低価格の海外直購入に対する課税体制の見直しに乗り出した状況だ。日本は今年3月末に国会を通過した2026年度税制改正を通じて、中国発の低価格商品の流入に対する管理強化を進めている。日本の税制改正案によると、課税基準の物品価格1万円(ウォン換算で約9万5000ウォン、実際の販売価格基準で1万6666円)に対する輸入消費税の免税制度と個人輸入品の税金40%割引制度を廃止した。英国もEUの措置後に中国発の低価格小包が自国へ迂回流入する恐れがあるとの懸念のなか、類似制度の導入を検討している。
このように世界各国が中国の低価格商品に警戒姿勢を強めるなか、中国系プラットフォームも対応に動いた。ロイター通信によると、シーインはポーランドなど欧州内の物流網を拡大し、商品を中国から個別発送する代わりに現地在庫を確保する方式へ戦略を転換している。アリエクスプレスは一部の国で関税と付加価値税(VAT)を含む価格を表示する方式で制度変更に対応している。
今回の措置で中国発EU行きの電子商取引向け航空貨物が短期間減少するとの見方も出ている。ロイター通信によると、電子商取引・航空貨物コンサルタントのデリック・ロシングは、手数料が発効してから数週間以内にEUへ向かう中国ECプラットフォーム商品の航空輸送量が10〜35%減少するとみる。ロシングは「米国が昨年少額輸入の関税免除制度を廃止したときには(中国系ECプラットフォームにとって)欧州市場が良い代替だったが、今は欧州に代わる市場がない」と述べた。
一方、韓国ではEUのように海外直購入品に固定手数料を課したり、少額免税制度を廃止したりする方策はまだ施行されていない。ただし政府は中国系ECを通じた海外直購入が急増し、有害製品流入への懸念が高まるなか、安全管理の強化に乗り出している。
関税庁は2024年から関係部署とともに海外直購入品に対する通関段階の安全性検査を拡大し、KC認証の不遵守製品や有害成分が検出された製品の持ち込み遮断を強化した。