ドルに対する円の価値が1986年以降で最も低い水準まで下落した。米国経済が予想より堅調な推移を示し連邦準備制度(Fed)の利上げ観測が強まったことで、米国と日本の金利差が円安を一段と進めたとの分析が出ている。
29日(現地時間)ロイター通信などによると、ドル・円相場はこの日、取引時間中に1ドル=161.97円まで上昇した。ドル・円相場の上昇はドルに対する円の価値の下落を意味する。ロイターは、ドルに対する円の価値が1986年以降で最も低い水準を記録していると伝えた。
ドルは主要通貨に対しては小幅に下落したが、13カ月ぶりの高値圏を維持した。主要6通貨に対するドルの価値を示すドル指数はこの日0.17%下落の101.19を記録した。ただし今月に入ってからは2.28%上昇し、2025年7月以降で最大の月間上昇幅を記録する可能性が高まった。
ドル高の背景には米国の成長期待とFedの金融引き締め観測が挙げられる。ロイターは、米国の直近の雇用指標が予想を上回る強さを示し、投資家が年内のFedによる利上げの可能性をより大きく織り込みつつあると報じた。今週発表される米国6月の雇用統計も為替市場の主要な変数とみられている。
ロイターが集計したエコノミスト予想によると、米国の6月の非農業部門雇用者数は11万人増加し、失業率は4.3%を維持する見通しだ。雇用市場が予想以上に強ければFedのタカ派姿勢が続く可能性があり、逆に減速のシグナルが確認されれば、金融政策の経路に関する市場の期待が再び変わる余地がある。
日本銀行(BOJ)は最近、政策金利を0.25ポイント引き上げて1.00%にしたが、米国と日本の金利差は依然として大きく開いている。LMAXグループのアナリストは、日銀の利上げは米国との金利格差を相殺するには不十分だったと分析した。
円安は日本の輸入物価と消費者物価の負担を高める可能性がある。同時にグローバル投資家の立場では、ドル高と円安がリスク資産選好、日本当局の為替市場介入の可能性、アジア通貨全般のボラティリティにつながり得る。
中東情勢もドルの動向に影響を与える変数として挙げられる。ロイターは、米国とイランの技術チームが暫定的な和平合意の履行を協議するため、カタールのドーハで会合する予定だと報じた。最近のホルムズ海峡をめぐる衝突以降、エネルギー輸送と原油価格の動きが為替市場にも影響を及ぼしている。