米国とイランの終戦合意によりホルムズ海峡の通航が再開されたが、数カ月にわたり海峡で足止めされていた船舶が正常運航を再開するには、船体清掃という別の課題を解決しなければならないとの分析が出ている。
23日(現地時間)米CNNは「ホルムズ海峡に閉じ込められた油槽船は、船体に付着している生物を除去するまでは動くことができない」とし、「数カ月にわたる戦争で史上最大規模のエネルギー供給の混乱が発生した後、世界の石油供給を正常化するうえでの別の障害物となるだろう」と報じた。
船舶が数カ月間ペルシャ湾の温かい海水に停泊していたことで、船体にはフジツボ、ムール貝、貝類、海藻など各種の海洋生物が大量に付着している状態だ。
船舶は航空機と同様に水の抵抗を最小化するよう設計されている。しかし、船体にフジツボや海藻などが付着する「生物汚損(Biofouling)」が発生すると水の抵抗が増し、燃料効率が大きく低下する。生物汚損が深刻になるほど燃料消費は増え、運航コストも急増する。
とりわけ中東からアジアやオーストラリアまで数千マイルにわたり原油を運ぶ油槽船の場合、船体汚染の影響が一層大きくならざるを得ない。海上保険業界団体のロイド・マーケット協会(LMA)の海洋・航空部門責任者ニール・ロバーツは、船舶の運営コストの約50%が燃料費だと説明した。船体下部の汚染で燃料消費が増えれば、総輸送コストも大きく上昇しかねないということだ。
ボート専門ウェブサイト「ザ・ボート・ギャレー」の運営者キャロリン・シャーロックは、船舶のプロペラに異物がひどく付着すると、時間の経過とともに推進性能が大きく低下しうると指摘した。キャロリン・シャーロックは、海洋生物が吸気バルブ内部に居座り冷却システムの故障を引き起こす事例も少なくないと説明した。
船体清掃に相当な時間がかかる点も問題だ。超大型油槽船は全長が1000フィート(約305m)を超え、幅は約150フィート(約46m)に達する。清掃すべき船体下部の面積だけで約15万平方フィート(約1万4200㎡)に上る。5〜6人の潜水士で構成された作業チームが金属スクレーパーと高圧洗浄機を使用し、船舶1隻の生物汚損を除去するのに約4〜5時間を要するとされる。
ホルムズ海峡に縛られていた約600隻の船舶が海峡を抜けるために船体下部の清掃を急ぐなか、関連サービスの需要も急増している。清掃業者が需要急増を理由に作業費用を数千ドル単位で引き上げる可能性も大きい状況だ。先にブルームバーグ通信は業界関係者の話として、ドナルド・トランプ米大統領がイランとの平和協定を発表した当時5000ドル(約770万円)水準だった船舶1隻の洗浄費用が、数日で8000ドル(約1200万円)へと急騰したと伝えた。
船体清掃が終わっても、船舶の運航が直ちに正常化するかは不透明だ。CNNは「船体清掃は、船舶が数億バレルの石油を最終目的地へ運ぶ前に経る長いプロセスの一段階にすぎない」とし、「停戦合意が日々新たな変数や曲折に直面している状況で、金融機関や保険会社が船舶の運航を許可するかは依然として不確実だ」と伝えた。