10年前に欧州連合(EU)を離脱して経済的自由を約束した英国が、規制緩和ではなく統制強化へ方向を転じた。2016年のブレグジット国民投票当時、英国はEU規制から離れ市場を広げ企業活動を解き放てば、より豊かになれるとしていた。しかし次期首相に固まった元グレーター・マンチェスター市長のアンディ・バーナムは、市場に委ねてきた水道・電力・住宅を再び国家が統制すると明らかにした。

アンディ・バーナム前市長は22日(現地時間)に辞任を発表したキア・スターマー首相に代わり、来月9日に労働党首相候補として単独出馬する予定である。現在は競争相手がいない状況であり、7月中旬には首相に選出される見通しだ。バーナムはリバプールの労働者家庭に生まれ、ケンブリッジ大学で英文学を専攻した。トニー・ブレア政権で実務級の次官補級を経て、ゴードン・ブラウン政権で文化相と保健相を務めた。2010年と2015年の2度にわたる労働党代表選で敗れた後、2017年にグレーター・マンチェスター市長へと職を移した。

2017年にロンドンからマンチェスターへ移ったバーナムは、9年ぶりに首相としての復帰を控える。バーナムはマンチェスターで打ち出した自身の経済構想を、そのままロンドンに持ち込むとみられる。英国でバーナムが示した経済構想は「マンチェスター主義」と呼ばれる。1980年代の民営化で民間に移ったバス路線と運賃を地方政府が取り戻し、交通・住宅・教育予算も地域が直接使う方式だ。バーナムは市長在任中にバス・トラムを束ねた統合交通網「ビー・ネットワーク」を発足させ、公共交通の利用を再び押し上げた。バーナムはこれを「企業寄りの社会主義」と称する。

アンディ・バーナム(56)下院議員。/##聯合ニュース##

バーナムは首相になれば、同じ方式を水道・エネルギー部門へ広げて公共統制を強化するとみられる。マンチェスター主義は、水道・電気・交通・家賃が高い理由を物価上昇ではなく民営化に求める。バーナムは英国で必須サービスが民間に移ったことで、株主配当や高い調達コストが料金負担として転嫁されたとみる。現在、英国政府は税金で住宅手当とエネルギー補助金を支給している。これらの税金が再び民間の家主や民営化サービス企業に流れ、悪循環を生んでいる。バーナム陣営ではこの構造を「民営化サーチャージ」と呼ぶ。

英国のリベラル系メディアであるガーディアンは22日、労働党内でバーナムの助言役を担ってきた団体「メインストリーム」が、経営構造が脆弱な必須サービス系の民営化企業を法的整理手続きを通じて買収し、現金の代わりに国債を渡す形で持ち株を確保する案を提示したと伝えた。公企業を新設して民間企業と競争させる案件も検討中とされる。

ただし、脆弱な民間企業を国費でなぜ買い取るのかという批判も少なくない。国有化の最有力候補に挙げられるテムズ・ウォーターは、1609年以降、400年以上にわたり英国ロンドンとその周辺地域の上下水道サービスを担ってきた最大の民間企業である。同社は1989年の民営化以降、ロンドン人口の4分の1に水を供給している。これを背景に放漫経営に陥った結果、借入金は約200億ポンド(約41兆ウォン)に達する。英国の経済メディア、シティAMは「国家が買収しても企業の負債は消えない」とし、「マンチェスター主義はコスト削減ではなく、支払い主体が企業から納税者に変わるだけだ」と指摘した。

バーナムは所得税と勤労者の国民保険料、付加価値税は引き上げないとした。3つは英国政府の税収の大半を占める項目である。バーナムは同時に、年金を毎年、物価上昇率・賃金上昇率・2.5%の3つの数値のうち最も高い比率で引き上げる「トリプルロック」を維持するとした。社会住宅を増やし、水道・エネルギーの公共統制と社会的ケア改革にも資金を投じる構想も示した。

主要税目を凍結したまま国家の役割を拡大するには、負担を別の側へ移すか政府の借入を増やす必要がある。ロイターは「バーナムは既存の財政ルールを守りつつ、不動産・資産・投資所得への課税強化を好む」と伝えた。バーナムが初の予算案を編成する過程で、高額住宅・土地、キャピタルゲイン課税、配当所得、相続税、金融会社への追加負担などが争点に上る可能性が大きいというのが専門家の大方の見方だ。

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