フランス上院が政府に対し、富裕層の資産状況を全面的に再点検するよう求めて動き出した。調査の結果、不動産資産家の23%が所得税をほとんど納めていないことが判明したが、政府ですら超富裕層の資産規模と税負担の実態を正確に把握できていないとの指摘が出ている。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領。/AFP

17日(現地時間)付のフランス日刊紙ルモンドによると、フランス上院財政委員会は同日公表した報告書で「フランスはもはや自国の富裕層が誰なのかを把握していない」と診断した。富裕層課税の強化を議論する前に、政府がまず超富裕層の資産状況から正確に把握すべきだということだ。

フランスは欧州でも指折りの高税率国家だ。国内総生産(GDP)比の租税負担率は経済協力開発機構(OECD)上位に属する。だが肝心の富裕層に関する情報は次第に不足しているというのが上院の問題意識だ。

今回の論争は年初のエリック・ロンバール前経済相の発言に端を発した。ロンバールはメディアのインタビューで「最も裕福な人々のうち数千人は課税基準となる所得が0で、所得税を納めていない」と主張した。政府内でも論争が拡大すると、上院は事実関係の確認に乗り出した。

フランス上院が財務省から提出を受けた資料によると、2024年基準で不動産資産税(IFI)納付対象者のうち1万3324世帯は所得税を全く納めていないか、むしろ還付を受けていたことが判明した。IFIは純不動産資産が130万ユーロ(約23億ウォン)を超える世帯に課される税金である。

調査範囲を広げると規模はさらに大きくなる。IFI納付対象者のうち平均所得税率が10%未満の世帯は5万6657世帯に達した。このうち非居住者と死亡者、国際機関職員などを除いても4万3845世帯が残る。上院は「不動産資産基準の百万長者の約23%が所得税をほとんど納めていないか、極めて少なく納めている」と分析した。

理由は多岐にわたる。長期間保有した不動産価格が急騰し資産規模は膨らんだが、実際の所得は多くない場合がある。フランスではこのような事例を「レ島の未亡人(la veuve de l'île de Ré)」と呼ぶ。海岸リゾート地の住宅価格が高騰し資産家にはなったが、生活所得は高くない高齢層を意味する。

ルモンドは各種の税額控除や節税制度を積極的に活用する富裕層もいると伝えた。ただし上院は、税額控除や減税だけではこの現象を十分に説明しがたいとみている。一部の事例では攻撃的な節税戦略や脱税の可能性も排除できないと指摘した。実際に2023〜2025年に所得税を納めていない百万長者世帯2910件を対象に税務調査を実施した結果、58%が税務申告の修正を通知された。

フランス上院がより大きな問題として指摘したのは情報不足だ。上院は調査過程で超富裕層の資産規模と資産構成、税負担水準などを把握しようとしたが、必要な資料を十分に確保できなかったと明らかにした。富裕層課税の問題を議論するためでさえ基礎データが不足しているということだ。

クロード・レナル上院財政委員長は「貧困世帯の状況は比較的よく把握しているが、最も裕福な階層についてはむしろ情報が不足している」と述べた。ジャン=フランソワ・ユソン議員も「社会的格差を解決するには、まず資産を把握しなければならない」とし「まず富裕層の資産を正確に把握する作業が必要だ」と強調した。

一部では2017年の税制改革以降、この現象が深まったとの分析が出ている。エマニュエル・マクロン大統領は就任初年に連帯富裕税(ISF)を廃止し、不動産にのみ課すIFIを導入した。その結果、政府は不動産以外の金融資産や未公開企業の持分、海外資産などに関する情報を以前よりはるかに少なく把握することになった。

上院はこれをめぐり「この20年の間に資産に関するブラックボックスが再び閉じてしまった」と表現した。過去には富裕税の申告資料を通じて高額資産家の資産状況を比較的詳細に把握できたが、いまは相続資料と税務資料などをクロス分析して推定する水準にとどまっているということだ。

これを受け、上院は政府に対し、富裕層の資産状況を再び把握できる体制を構築するよう勧告した。フランス統計庁(INSEE)が家計資産調査を定期的に実施し、相続資料を活用して富裕層の資産状況を全面的に分析すべきだということだ。

現在、公証人が提出する相続申告書も大半が紙の文書で処理されており、デジタル化が必要だと指摘した。さらに銀行や公証人、暗号資産(仮想通貨)サービス事業者などが保有する資料を活用し、資産データベースを構築する案も示した。

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