スウェーデンが外国人に滞在許可を出す際に犯罪経歴だけでなく「品行」まで審査する制度を導入した。スウェーデン政府は社会統合と法秩序の確立のための措置だと説明する一方で、人権団体は表現の自由と集会の自由を萎縮させる恐れがあるとして反発している。
15日(現地時間)付のフランスの日刊紙ル・モンドによると、スウェーデン議会は外国人の品行を滞在許可の審査基準に含める法案を可決した。今回の法案は2022年に発足した右派の連立政権と、これを議会で支援する極右性向のスウェーデン民主党(SD)が推進してきた移民規制強化政策の一環である。当時の連立合意には「品行が不良な外国人を追放できる方策を検討する」という内容が含まれ、論争を呼んだ経緯がある。
スウェーデンはすでに6日から市民権取得要件にも「誠実な生活」という基準を導入した。市民権だけでなく滞在資格まで道徳性と社会的責任を評価する方向で制度を強化した格好だ。新法によれば、法律と規則を順守しない、当局の決定に従わない、過度な債務を抱える、不正な方法で生計を維持する場合には、滞在許可が拒否または取り消される可能性がある。
ただしスウェーデン政府は論争となった一部条項は除外した。当初検討されていた売春、物乞い、薬物・アルコール依存の有無は滞在許可取り消し事由から外れた。
しかし法案通過後、市民団体と法曹界からは懸念の声が上がっている。ル・モンドは「何が『良い品行』で何が『悪い品行』なのか基準が不明確である点が最大の論争だ」と伝えた。ストックホルム大学の政治学教授ルドビグ・ベックマンはル・モンドに「悪い品行の定義が過度に曖昧だ」と述べ、「クルド系移民がトルコ政府を批判するデモに参加することすら国家安全保障上の脅威と解釈され得るとの懸念を生んでいる」と語った。
気候運動家の間でも同様の懸念が提起されている。スウェーデンで活動するフランス人環境運動家イザベル・ルテルリエは2023年に空港反対デモの過程で逮捕されたが、その後裁判所で無罪判決を受けたものの、2024年の市民権申請が却下されたとされる。
国際人権団体の国際アムネスティは今回の法案が外国人にのみ別個の基準を適用しているとして批判した。アンナ・ヨハンソン・スウェーデン支部事務総長は最近の寄稿文で「一部の外国人が不利益を懸念し、自らの意見を表明したりデモに参加したりすることをためらう可能性がある」と主張した。
一方でスウェーデン政府は、単なる発言だけで滞在許可が取り消されることはないと説明している。政府は犯罪行為ではない発言自体は制裁の対象ではなく、法案の目的は社会秩序を損なう行為を防ぐことにあると明らかにした。
かつて欧州で最も寛大な移民政策を展開していたスウェーデンは、近年の犯罪増加と社会統合の課題を理由に移民規制を相次いで強化している。今回の法案もこうした政策基調の延長線上にあるとの評価が出ている。