14日(現地時間)、米国とイランが事実上の「終戦協議」に合意したなか、米国とともに今回の戦争を戦ってきたイスラエルの内部では、自国が掲げた戦争目標に達しない形で協議が進んだとの不満が噴出している。
この日、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、停戦合意の発表前から報道を通じて一部内容が伝わると、イスラエル政界全般で批判と懸念が噴出していると報じた。
実際に合意の知らせが伝わる前、イスラエルの代表的日刊紙イェディオト・アハロノトは1面の見出しで、ドナルド・トランプ大統領が推進中のイランとの停戦合意に対するイスラエル内部の雰囲気を「悪い取引(Bad Deal)」と表現した。
ロイター通信などによると、米国とイランの合意案には、世界経済の要となる海上輸送路であるホルムズ海峡を再開し、米国がイラン港湾に対する封鎖を解除する内容が盛り込まれた。さらに約250億ドル(約38兆ウォン)規模のイラン凍結資産の解除も中核条件に含まれたと伝えられた。
双方が協議過程で最も鋭く対立していたイラン核プログラムの完全廃棄と恒久的な平和定着の問題は、今後60日間続く追加協議で議論することにした。しかしまさにこの点がイスラエル内部の懸念を強めている。
ベニヤミン・ネタニヤフイスラエル首相は戦争初期に「イスラエルに対する実存的脅威を除去すること」が目標だと明らかにした。ネタニヤフ首相はイランの核の脅威除去のみならず、イラン国民が現政権を交代できる環境の造成、レバノンの武装勢力ヒズボラとイエメンのフーシ派、パレスチナの武装勢力ハマスなどイランの代理勢力への支援中止などを目標として掲げてきた。
しかし協議過程で米国とともに今回の戦争を開始したイスラエルは事実上排除され、結果的に合意案はイスラエルが掲げていた目標に大きく及ばない水準だとの評価が出ている。
外交上の議論を理由に匿名を求めたイスラエルのある関係者は、米国とイラン間の合意の問題点として、イランの濃縮ウラン備蓄量の処理策が明確でなく、核プログラムの制限措置も十分ではない点を挙げた。関係者は今回の合意が過度にイランの「善意」に依存する構造に見えると評価した。
ネタニヤフ首相の前国家安全保障補佐官代行だったジェイコブ・ナゲルも日曜日のオンライン会見で記者団に「今後の協議アジェンダを語るのは非常に容易だ」としつつも、「イランの弾道ミサイルと域内の代理勢力支援の問題は、公に知られた合意内容のどこにも含まれていない」と指摘した。
イスラエル政界では強い批判が相次いでいる。右派性向のアビグドル・リーベルマン元国防相はソーシャルメディア(SNS)に「イスラエルの観点から見れば災厄だ」と記した。中道性向の野党指導者であるヤイル・ラピド元首相も「報道内容が事実でないことを望む」とし、「もし事実ならイスラエルの外交・安保政策の最も衝撃的な失敗の一つになるだろう」と批判した。
停戦を前にネタニヤフ首相とトランプ大統領の間の不協和音も露呈した。イスラエル軍がレバノンのベイルートを空爆したことに関連し、トランプ大統領はSNSを通じて「イスラエルは自らを防衛する権利があるが、今回の攻撃は死傷者が一人も出なかった非常に小さく意味のない攻撃だった」とし、「このような攻撃のせいで平和に向けた重要なプロセスを妨げてはならない」と公然と批判した。
トランプ大統領との親密な関係を政治的資産として前面に掲げてきたネタニヤフ首相は、今回の合意で苦しい立場に置かれることになった。10月の総選挙を控えるネタニヤフ首相は、連立内外の双方からトランプ大統領の要求をそのまま受け入れてはならないという強い圧力を受けているとNYTは伝えた。