2026年国際サッカー連盟(FIFA)北中米ワールドカップが思わぬ「債権回収の舞台」として浮上した。約10年前にスペイン政府が再生可能エネルギー補助金を廃止したことで損害を被ったと主張する海外投資家が、ワールドカップ期間中に米国内のスペイン資産差し押さえに動いたためである。スペイン代表の宿泊先の予約金から各種契約金までが差し押さえ対象になり得るとの見方が出ている。

11日(現地時間)、米テネシー州チャタヌーガのベイラー・スクールの練習場で、スペイン代表の練習を前に代表チームのバナーが掲げられた。/ロイター

英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、米国投資ファンドのブラスキット・リニューアブル・インベストメンツが、ワールドカップ期間中にスペイン資産を追跡・差し押さえできる権限を米国の裁判所から確保したと報じた。ブラスキットは、国際仲裁廷がスペイン政府に支払いを命じた賠償金と利子を含め、6億ユーロ(約1兆ウォン)超を受け取る権利を保有している。

ブラスキットは米国内での強制執行を通じ、少なくとも2億ユーロ(約3513億ウォン)を回収できるとみている。このためにブラスキットはFIFA、スペインサッカー連盟(RFEF)、スペイン代表が滞在する米国テネシー州チャタヌーガのヒルトンホテル、公式ユニフォーム供給元のアディダスなどに召喚状を送り、米国内のスペイン関連資産の現況を把握している。

ブラスキット側の弁護人であるマシュー・マクギルはFTに「スペインが米国に持ち込む資産であれば何でも関心の対象だ」とし、「政府関係者の宿泊のために支払ったホテルの予約金も差し押さえを試みることができる」と語った。

スペイン政府とサッカー連盟は一線を画している。スペイン政府は、代表チームとサッカー連盟が国家と独立した民間組織である以上、今回の紛争の影響を受けてはならないとの立場だ。スペインサッカー連盟も、政府と連盟は別個の組織だとして投資家の差し押さえの試みに反発している。

今回の紛争の根は2013年にさかのぼる。当時スペインは太陽光・風力産業の育成のため大規模な補助金を支給し、海外投資家を積極的に誘致した。しかしユーロ圏の財政危機で国家の財政負担が増すと、マリアノ・ラホイ当時首相の政権は支援制度を大幅に縮小した。

投資家は「政府の政策を信じて投資したのに約束を翻した」として、世界銀行傘下の国際投資紛争解決センター(ICSID)に相次いで訴訟を提起した。これまでにスペインは27件の訴訟で敗訴し、賠償金と利子を合わせた負担規模は17億ユーロ(約3兆ウォン)を超えた状態だ。

しかしスペイン政府は賠償金の支払いを拒んでいる。FTは「欧州連合(EU)もスペインの側に立っている」とし、「EUは国際仲裁廷が命じた賠償金を支払う場合、違法な国家補助金に当たり得るとみている」と伝えた。欧州司法裁判所(ECJ)も2018年に同様の趣旨の判断を下した経緯がある。

一方で投資家は、スペインは依然としてエネルギー憲章条約(ECT)に基づく義務を負うべきだと主張している。ECTは、政府の政策変更により投資損失が発生した場合、外国人投資家が当該国家を相手取って訴訟を提起できるようにした国際協約である。

双方の法廷闘争は、いまや米連邦最高裁にまで上がった。スペインは国家主権免除を理由に米国内資産の差し押さえを阻止してほしいと求め、連邦最高裁が事件を審理するかどうかは今月末に決まる見通しだ。

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