ブラジルの配達市場で中国企業の攻勢が強まっている。半額割引と大規模な投資攻勢を前面に出した中国の配達アプリが市場首位企業を脅かし、独占論争と産業スパイの攻防にまで発展している。かつてUberEatsや南米最大の配達アプリであるラピ(Rappi)さえ苦戦した市場で、中国企業が初めて意味のある亀裂を生じさせているとの評価が出ている。

ブラジル・リオデジャネイロ中心部で、フードデリバリーアプリ99Foodに所属する配達員が、必須とされる認証セルフィーを撮影しながら配達用バッグを手にしている。/AFP

10日(現地時間)、ブルームバーグは、中国のライドヘイリング企業ディディ(DiDi)の99フード(99Food)と、香港系配達アプリのキータ(Keeta)が、ブラジル市場の首位企業アイフード(iFood)を相手に大規模な割引競争と投資攻勢を展開していると報じた。

人口2億人を超えるブラジルは南米最大の消費市場である。都市化率が高くスマートフォンの利用が普及しており、配達・電子商取引産業の成長余地が大きい。ブルームバーグによると、キータは今後5年以内にブラジルの配達アプリ利用者が現在の2倍水準である1億2000万人まで増えると見込んでいる。中国のプラットフォーム企業が東南アジアに続きブラジルを新たな激戦地とした背景である。

これまでブラジルの配達市場は事実上アイフードの独壇場だった。UberEatsや地元スタートアップはもちろん、南米最大の配達アプリであるラピでさえ市場占有率の拡大に失敗した。アイフードは料理の配達を越えて決済、メンバーシップ、広告プラットフォームなどを組み合わせたエコシステムを構築し、市場支配力を高めてきた。

しかし昨年末にサンパウロに進出したキータが状況を揺さぶっているとブルームバーグは伝えた。市場調査会社センサータワーによると、キータはサービス開始から3カ月で月間アクティブ利用者数(MAU)でラピを追い越した。

99フードも昨年ブラジル市場への再進出を宣言し、初年度だけで20億レアル(約5000億ウォン)を投資すると明らかにした。キータも今後5年間で56億レアル(約1兆4000億ウォン)を投資する計画である。

中国企業が掲げる武器は破格の割引特典である。ブルームバーグは「ブラジルの消費者は最大50%水準の割引クーポンに従い複数のアプリを行き来している」と伝えた。これに対抗し、アイフードは有料メンバーシップ加入者にYouTubeプレミアムとSpotifyプレミアムの無料利用特典、旅行割引などを提供し、顧客の囲い込みに乗り出している。

競争が激化し、ブラジルの規制当局も動き始めた。ブラジルの競争当局は最近、99フードが一部の飲食店と結んだ独占契約が競争を阻害するかどうかの調査に着手した。逆にアイフードも独占契約の制限規定に違反したとの疑いで調査を受けている。

法廷闘争も起きている。アイフードは最近キータに対し「営業秘密を盗み出した」として産業スパイ容疑で訴訟を提起した。配達アプリの競争が単なる割引合戦を越え、規制と訴訟が絡む全面戦へと広がっているということだ。

当の現地の飲食店主や配達員は中国企業の進出を歓迎しているとブルームバーグは伝えた。6年間アイフードで働いた配達員エドソン・カルドーゾは「アイフードが市場を掌握した後、配達員の待遇が悪化した」とし「競争がなければ企業は好き放題に行動する」と語った。

ブラジルの外食業界もまた、中国企業の進出が包装技術とサービス品質の競争を促すと期待している。ブルームバーグは、アイフードの独占体制だったブラジルで中国企業の攻勢が消費者の利益拡大と業界の競争活性化につながる可能性があるとの期待が出ていると伝えた。

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