米国が仲介した休戦協定後に再発したイスラエルとイランの武力衝突が、ドナルド・トランプ米国大統領の介入で急速に小康状態に入った。トランプ大統領がソーシャルメディアを通じて即時の発砲中止を促してから約1時間で、両国が相次いで攻撃を止めた。
8日(現地時間)のニューヨーク・タイムズ(NYT)やフォックス・ニュースなど主要メディアの報道を総合すると、イスラエルとイランは前日から続いていた大規模なミサイルの応酬を電撃的に中断した。今回の事態は、イスラエルが7日にレバノンの首都ベイルート南部ダヒエ地区を空爆し、イランが弾道ミサイル約30発をイスラエルに向けて発射したことで始まった。これに対抗してイスラエル軍が8日未明、イラン国内の防空網や化学工場などを攻撃し、全面戦争への危機感が高まった。
事態の沈静化にはトランプ大統領が決定的な役割を果たした。トランプ大統領はこの日、自身のトゥルース・ソーシャルに「イスラエルとイランは即刻発砲を止めなければならない」と求める投稿を行った。続けて「双方とも即時の休戦を模索している」とし、「無知や愚行が妨げないなら平和に向けた最終交渉が進行中だ」と述べた。NYTは、トランプ大統領が8日午前にベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相と通話し、米国とイランが長期的な核合意の交渉に向けた突破口を開くまで数日しか残っていないと説得したと伝えた。ただしトランプ大統領は「最終合意に到達するまで封鎖はそのまま全面維持される」と線を引いた。
米国の要請を受けたネタニヤフ首相は、直後に予定されていたイラン追加空爆を電撃的に取り消した。ネタニヤフ首相はビデオメッセージで「テヘランのテロ政権が打撃を受けた後、イスラエルへの攻撃を止めた」とし、「現在この戦線での空爆は当面中断している状態だ」と明らかにした。ただし「もしそのテロ政権が再びイスラエルを攻撃する過ちを犯すなら、イスラエルは強力な武力で対応する」と警告した。
イランも素早く拡大抑制に動いた。イラン軍を指揮するハタム・アルアンビヤ中央軍事本部は、トランプ大統領の発言直後に声明を出し「シオニズム政権(イスラエル)に苦痛を与える対応を加え、イラン軍の作戦中止を宣言する」と発表した。モハンマド・バゲル・ガリバフ・イラン国会議長も米国の海上封鎖措置に反発しつつ、外交的解決への意欲を示した。マスード・ペゼシキアン・イラン大統領もソーシャルメディアを通じて、外交と国防を国家権力の二つの翼と称し、和平交渉のテーブルを離れていない点を明確にした。ただしイラン軍部は、イスラエルがレバノン南部などで軍事行動を継続するなら、はるかに苛烈で破壊的な措置が続くとの条件を付けた。
本土を直接攻撃する両国間の正面衝突はひとまず止まったが、レバノン地域を巡る武力紛争の火種は依然くすぶっている。ネタニヤフ首相はレバノン国内のヒズボラを標的にした軍事作戦を継続する自由を維持すべきだと主張している。イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は「ベイルートのダヒエはイスラエル北部地域と同様に扱われる」とし、ヒズボラがイスラエル北部を攻撃すればダヒエを再び攻撃すると公言した。イランのパートナーであるイエメンのフーシ派反政府武装勢力もイスラエルに向けてミサイルを発射するなど、中東の軍事的緊張は当面続く見通しだ。