グローバルなテック企業の人材獲得競争が激化するなか、中国最大の通信機器企業であるファーウェイが世界の理工系人材を対象に大規模な技術コンテストを開催し、将来の人材確保に乗り出した。自社の人工知能(AI)半導体とオペレーティングシステムの開発に続き、最近は次世代半導体設計のパラダイムである「タウ(τ)スケーリング法則」まで提示したファーウェイが、次世代技術競争の勝負所として人材確保に注目し、これに注力している姿だ。
5日、ファーウェイ本社が位置する中国広東省深圳で第10回「ファーウェイ情報通信技術(ICT)大会」が表彰式をもって閉幕した。今年は世界100余りの国・地域、2000余りの大学から22万人以上の理工系学生と教員が参加し、過去最大の規模を記録した。
各国予選と地域大会を経て最終的に49の国・地域の177チームがグローバル決勝に進出し受賞した。分野別最高賞である特別賞は中国、ナイジェリア、シンガポール、アルジェリア、ブラジル、エジプト、ケニア、ドミニカ共和国など8カ国18チームが獲得した。会社側によれば本社就職と連動した大会ではないが、受賞者は今後ファーウェイ入社の際に優先考慮の対象となり得るという。
◇ 深まる人材戦争…ファーウェイ「むしろ機会」
ICT大会はファーウェイの人材戦略を示す代表的なイベントであり、ファーウェイはICT大会を通じて潜在力のあるグローバル人材を早期に発掘し、産業現場型人材として育成しようとしている。業界によれば生成AIの拡散でAI研究・開発(R&D)・データ・コンピューティング分野の人材需要が急増し、先端技術人材の不足は世界的課題として浮上した。ファーウェイは現在、世界的に必要なICT人材は約2億人に達するが、実際の供給は1億4000万人水準にとどまり、約6000万人の人材が不足している状況だと説明した。
ファーウェイは2015年にICT大会を開始して以来、AI・コンピューティング・ビッグデータ・サイバーセキュリティ分野の人材を発掘してきた。参加者はネットワーク構築、クラウドコンピューティング、AIモデル開発など産業現場で活用される技術能力を競い、大会は現在、世界最大規模のICT人材技術コンテストの一つとして定着した。
ドゥ・ミン(杜敏)ファーウェイ高等教育事業部社長は「今日、世界のICT人材不足問題は一層深刻化しており、特にAI分野でその需要は急速に増加している。これは挑戦であると同時に巨大な機会だ」と述べた。続けて「ファーウェイは長年にわたりスマート教育分野に継続的に投資してきた。講義室での授業から実習訓練、各種コンテスト、イノベーションプログラムに至るまで学習の全過程を支援している」とし、「ICTコンテストもその一環だ。ファーウェイは教室での学習と実際の産業現場をつなぎたい」と述べた。
◇ 38万坪キャンパスで育てる未来技術
深圳市内から約1時間の距離にあるドングワン(东莞)市のファーウェイ・シーチュン(溪村)キャンパスは、こうした人材が集結したファーウェイのR&Dキャンパスだ。2015年に着工し、現在は127万㎡(約38万坪)規模で造成された。サッカー場178面、ソウル汝矣島公園の5.5倍の大きさに達する。欧州の都市を模した12の「村」と108棟の建物で構成され、2〜3万人が勤務している。
実際に見て回ったキャンパスは湖や遊歩道、広場、カフェ、食堂、体育施設だけでなく居住施設も備え、会社というより実際の町に近かった。会社関係者は「従業員がより快適で創造的な環境で仕事ができるよう設計した」と説明した。ファーウェイは今回の大会決勝参加者にもシーチュンキャンパスを公開し、自社のR&D環境を直接体験できるようにした。
ファーウェイがこれほど人材確保に力を入れる理由は、R&D中心の企業構造とも結びついている。ファーウェイは全従業員の過半がR&D人材であり、昨年のR&D投資額は1923億元(約44兆ウォン)に達する。これは全売上高の21.8%の規模で、前年より約2兆ウォン増額した。
ファーウェイは最近、半導体業界の長年の基準である「ムーアの法則」を上回る新たな概念として「タウスケーリング法則」を提示するなど、AI・半導体分野で技術主導権の確保に乗り出している。自社開発のAI半導体「Ascend(アセンド)」とオペレーティングシステム「Harmony OS(ハーモニーOS)」に続き、次世代半導体設計のパラダイムまで提案し、技術自立の範囲を広げているということだ。ファーウェイがICT大会など各種産学協力プロジェクトを通じて将来の人材プール確保に乗り出す理由である。
ポン・ホンフア(彭红华)ファーウェイICT戦略・事業発展部長は「来年の大会からは中国地域予選に、Ascendチップで駆動するAI計算モジュールを開発するトラックを新設する」とし、「より多くの若い開発者が当該課題を遂行し、産業最前線の技術に触れることを期待する」と述べた。