イランの報復攻撃で大きな打撃を受けたアラブ首長国連邦(UAE)の観光業界が、戦争以前の活気を取り戻すために必死だ。しかし西側の観光客がなかなかドバイに戻らず、低迷が長期化するとの見方が出ている。

3月11日(現地時間)に撮影されたドバイのスカイライン。世界で最も高い建物のブルジュ・ハリファやブルジュ・アル・アラブ・ホテルなどが見える。/ AFP=連合

2日(現地時間)金融サービス企業ムーディーズによると、イラン戦争勃発以前に約80%水準だったドバイのホテル客室稼働率は、今年第2四半期に10%まで落ち込む見通しだ。ムーディーズは「これは宿泊業界の相当部分が事実上の営業停止状態に置かれることを意味する」と分析した。

ドバイは湾岸地域の観光ハブであり、数十年にわたり「安全な旅行先」というイメージを前面に出して世界的観光都市へと成長してきた。イラン戦争以前までは、中東各地で紛争が発生した際でさえ、海外観光客にとって安全なリゾート地かつ効率的な乗り継ぎ拠点と評価されてきた。

状況は2月28日の米国とイスラエルによるイラン攻撃以後、急変した。イランが報復の一環として湾岸地域の国々に向けてドローンとミサイルを発射し、ドバイの主要ランドマークも攻撃を受けた。その後、観光名所は各種プロモーションを通じて観光客の誘致に乗り出している。

見た目にはドバイの観光産業が戦争前の姿を回復したように映る。フェアモント・ザ・パーム、リッツカールトン・ドバイ、マンダリンオリエンタル・ジュメイラなど主要ホテルは通常営業を続け、割引プロモーションを実施している。イランのドローン攻撃で一時運営に支障を来したドバイ国際空港も、現在は40社以上の航空会社が運航し、正常化に向けた手順を踏んでいる。

しかし米CNNは「表面的にはドバイの日常がほぼ正常に戻ったように見えるが、旅行者の信頼はまだ完全には回復していない」とし、「ドバイは長年にわたり経済を支えてきた観光産業を再生し、旅行者の信頼を取り戻さなければならない課題を抱えている」と伝えた。

ここに西側諸国の渡航警告も、観光業の回復の足かせとして作用している。オーストラリアは自国民にUAEを含む一部中東諸国での乗り継ぎ自粛を勧告し、カナダはUAEへの渡航自粛を勧告した。米国も自国民に対し、UAEへの渡航計画を再検討するよう促した。

このため現在ドバイを訪れる観光客の相当数は、ロシアやレバノンなど、比較的紛争リスクに慣れた国の出身だと伝えられている。これらの人々にとってUAEは自国より相対的に安全な地域と認識されているためだ。レバノンのベイルートに居住するファトマ・アマルは、イスラムの祝祭を迎え息子たちに会うためにドバイを訪れたとし、「ドバイはベイルートよりはるかに安全に感じられる」と語った。

ドバイ当局も観光産業の回復に向け、多様な支援策を打ち出している。高級宿泊施設に課される夜間ホテル税の免除、ホテル・レストラン利用額に課される7%地方税の免除、宿泊関連販売手数料の猶予、イベント許可の延期および取消手数料の免除などが代表的だ。

ただし業界では、旅行者の信頼を回復するには相当な時間がかかるとみている。オマーンとドバイでリゾート・レストラン事業を運営するゲイツ・ホスピタリティの設立者ナイーム・マダッドは「今回の事態がUAEそのものへの信頼を根本的に損なったというより、旅行者のためらいを大きくした」とし、「渡航警報が発令され、多くの人々が旅行計画を再検討している」と述べた。

ストーリー・ホスピタリティのビクター・アブ・ガネム最高経営責任者(CEO)は「休暇を計画する家族にとって、政府の渡航勧告や旅行保険の制限、航空便運航の混乱に対する懸念だけでも、旅行を延期する十分な理由になり得る」とし「実際に旅行先が正常に運営されていたとしても同様だ」と語った。

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