世界的投資家のウォーレン・バフェットが公式に指名した後継者が、初の大型買収の対象として住宅建設会社を選んだ。人工知能(AI)やビッグテック、半導体が世界の資本市場を熱くする時期に下した選択である。先端技術企業ではなく、高金利に押された伝統産業に資本を投じた点で、見た目には時代の流れに逆らう選択のように映る。しかし投資業界では、今回の取引をバークシャー・ハサウェイ内部に散在する住宅と建材、金融資産を一つに束ねる不動産プラットフォーム戦略のシグナルと受け止めた。

バークシャー・ハザウェイのCEO、グレッグ・エイベルが2026年5月1日、米ネブラスカ州オマハで、ウォーレン・バフェットが60年ぶりにCEOを退いた後、初開催となるバークシャー・ハザウェイ年次株主総会で株主に挨拶している。/聯合ニュース

1日(現地時間)グレッグ・アベル バークシャー・ハサウェイ最高経営責任者(CEO)は、米大手住宅建設・開発会社テイラー・モリソン(Taylor Morrison)を85億ドル(約12兆8,600億ウォン)で買収することにしたと明らかにした。バークシャーはテイラー・モリソンを1株当たり72.50ドルの現金で買収する。先月29日終値58.50ドルに24%のプレミアムを上乗せした金額である。株式価値は68億ドル(約10兆2,900億ウォン)で、負債を含む企業価値は総額85億ドルだ。バークシャーが積み上げた3,800億ドル前後の現金同等物と比べると、全体流動性に占める比重は2%余りにとどまる。ただし、アベルが年初にCEOに就任して以降、独自に断行した初の大型資本配分という点で象徴する重みは格別だと専門家は評価した。

テイラー・モリソンはアリゾナ州スコッツデールに本社を置く大手住宅建設・開発会社だ。米国12州、21市場で350超の住宅コミュニティを運営する。単に家を建てる会社ではない。同社は住宅購入者に対し、モーゲージ融資からタイトル、エスクロー、住宅保険まで、家を買う際に必要な金融サービスを一括で提供する。さらに、入門型住宅から賃貸コミュニティブランドのヤードリー(Yardly)まで、居住領域を幅広く扱う。テイラー・モリソンは昨年、住宅1万2,997戸を引き渡し、住宅引き渡し売上76億6,000万ドル、調整後純利益8億3,000万ドルを計上した。

現在、マクロの視点で米国住宅市場は停滞期にある。モーゲージ金利が高止まりし、借り入れで家を買おうとする購入者の足が縛られている。フレディマック基準で先月28日、30年固定モーゲージ平均金利は6.53%に達した。政府指標によると、4月の新築一戸建て販売は1年前より11.3%減少した。一戸建て着工も前月比9%減少した。新築在庫は現在の販売ペースで9.4カ月分まで積み上がった。住宅は在庫を通常6カ月水準とみる。今は需要より供給負担がはるかに大きい状況だ。

悪材料が重なった状況で、バークシャーは不動産の長期回復に確信を持ったとみられると専門家は評価した。景気回復を確認してから高値で買うより、全員が不安がる底値圏で優良企業を先取りしたとの分析だ。ビル・ストーン グレンビュー・トラスト最高投資責任者はCNBCに「バークシャーは住宅サイクルが反転し、待機需要が生きていることにベットした」と語った。

バークシャーはすでに製造住宅とモジュラー住宅に特化したクレイトン・ホームズを傘下に置いている。ここに、ベンジャミン・ムーア、ジョンズ・マンビル、ショー・フロアーズといった建材会社や、米最大級の住宅用不動産仲介網ホーム・サービシズ・オブ・アメリカまでを中核子会社として抱える。クレイトンが工場で造る製造住宅に強いのに対し、テイラー・モリソンは大規模コミュニティ開発と現場施工住宅に強みがある。UBSアナリストのジョン・ロヴァッロはロイターに「2社を合わせれば米上位5位圏の住宅建設会社になる」と分析した。

アベルは発表文で「バークシャーは顧客体験で信頼される評判を持つ最高水準の全国区住宅建設会社を取り込んだ」とし、「時間がたてばバークシャーの現場施工住宅事業を統合された一つのプラットフォームとして運営することになると予想する」と述べた。土地開発から施工、モーゲージ、保険、仲介、建材調達までを一つの枠内で回す構想である。

バフェットとマンガーは不動産価格の上昇に賭けるより、居住需要が消えないという前提の下でその周辺で反復的に稼ぐ運営会社を好んだ。経営手法においても、バフェット時代のバークシャーは優良企業を買収した後、従前の経営陣に運営をそのまま任せる分権モデルを好んだ。一方、アベルはエネルギー・ユーティリティ事業を長く率い、積極的な運営能力を証明した人物だ。スティーブン・チェック チェック・キャピタル・マネジメント会長はAPに「アベル体制では、バークシャー創業者が残っていた時期より、より多くの統合型経営手法を見ることになる」と予測した。キャシー・サイファート CFRAアナリストも「運営者としてアベルが持つ強みを踏まえると、バークシャーが規模の経済と効率性を引き出すために当該部門をどう統合していくのか見守る過程は興味深い」と述べた。

アベルが選んだ最初の大型買収は、華やかなAIのグロース株ではなく、重量感のある実物産業だ。バークシャーの観点では時代錯誤ではなく、構造的な長期需要とキャッシュフローに賭ける最もバークシャーらしいやり方である。バフェットとマンガーは不動産価格上昇に賭けて実物を買い漁ったわけではない。代わりに、居住需要が消えないという前提の下で、その周辺で反復的に稼ぐ不動産運営会社や金融会社を好んだ。バフェットは1967年に保険会社ナショナル・インデムニティを買収し、保険料を先に受け取り保険金は後で支払う「フロート」を投資資金として活用した。2003年には米国人の居住需要が長期的に増えると予測し、クレイトン・ホームズを約17億ドルで買収した。

ただし住宅建設は、着実に利益を生む安定事業ではなく、金利や許認可、土地費の変化に敏感に揺れる景気敏感産業である。一部では、今のように金利が上昇する可能性が大きい時期に、アベルが性急に参入したのではないかとの懸念が出た。サイファートアナリストは「買収価格は割高に見える可能性がある」と警戒した。

それでもバフェットは買収直後、今回の取引が後継者アベルの独自判断で成立した取引であることを公に証明し、新たなリーダーシップに力を与えた。バフェットはCNBCのインタビューで「グレッグは私ができたよりも速く、かつ滑らかに買収を終えた」とし、「私はその会社のCEOと会話すらしなかった。アベルが直接始めたことだ」と強調した。シェリル・パルマー テイラー・モリソンCEOも「バークシャーの長期志向は、住宅建設の多年投資サイクルにことのほか適合する」と述べた。

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